【世界一周547日目〜561日目】2024.10.27〜11.10 ドイツ ベルム
みなさまこんにちは。
世界一周中の我々ですが2週間ほどドイツ北部の田舎町のファームでボランティアをしておりました。
今回はこの滞在中にどのように過ごしていたのか、英語力はどの程度必要か、ボランティアのメリットや、そこで得られた経験なんかを紹介したいと思います。
スポンサードリンク
WorkAwayとは
海外でボランティアと言ってもどうやってホストを見つけるの?って感じですよね。
我々はWorkAwayというマッチングサービスを使って探したのでまずはそちらのご紹介。
WorkAwayとは2002年にイギリスのバックパッカーがサービスを開始した「労働力が欲しいホスト」と「経験を得たいゲスト」を結ぶマッチングサービスです。
ゲストは1日5時間×週5日間の労働を行う代わりに、ホストから食事と寝床を提供してもらうことができます。
基本的に金銭のやり取りはありませんがたまに給料がもらえるポジションもあります。(ただしその場合観光ビザでは厳密にはNGなので無料が基本)
期間は最短で1週間、長いと数ヶ月の滞在も可能。
労働の種類も多種多様。
例えば、
- 農家の手伝い
- ペットシッター
- 食事作り
- 子供への英語交流機会の提供
- ホステルの受付や清掃
- リノベーション手伝い
などなど。
世界中で50,000件以上の求人から好きなものを選ぶことができちゃうんです。
あまり馴染みがないかもしれませんが、日本でも177人のホストが見つかりました。
イギリスやフランスなどは500+moreと表示されてしまうので厳密な数字は不明ですが、世界中で50,000件以上あるみたいです。
期間や場所、作業内容なんかを条件にホストを探し、気になったものがあればメッセージを送って細かい内容を詰めていく。
という感じ。
我々は8月のイギリス滞在中にホストを探して10月下旬からドイツ北部の田舎にある農家で約2週間お世話になりました。
食事と寝床はホストが用意してくれるので基本的にタダでドイツの田舎暮らしを体験することができ、とても良い思い出と様々な学びを得ることができました。
年会費が59ユーロかかりますがヨーロッパに滞在しようと思ったら1日でそれ以上かかりますからね。
実際に利用して見てめちゃくちゃおすすめです。
求人を見るには登録しなくても見れるので気になる方は覗いて見ても楽しいですよ。
実際に応募してみて
求人は探せば沢山見つかるのですが、いざメッセージを送って見ても、スルーされたり、すでに埋まっていると断られることも多々ありました。
体感ですが2ヶ月くらい前からやり取りを開始しておくと良さそうです。
我々は7月に2週間後くらいの案件を探しましたが見事に全滅・・・
作戦変更して2ヶ月後で探したら無事に見つかりました。
ただ夏のいいシーズンに北欧という条件だったので競争率も高かったんだと思います。
ホスト探しの時に確認したいのがAvailabilityとProfile information。
Availabilityについてはどの時期に募集しているか。
こちらのホストは2025年はいつでも募集していますが、Min stay requestedが1ヶ月となっているので最低でも1ヶ月間は滞在を希望しているので時間がある人向けということがわかります。
黄緑色は募集中、黄色は微妙だけどまぁ問い合わせて見てよ、赤色はNGという感じ。
次にProfile information。
Host is looking for help Immediatelyの記載があるので「すぐにでも来て欲しい!」という急募になっているので空きがあれば直前でも決まる可能性があります。
が、我々が夏にこの条件で探した時はすでに決まってしまっていました(;´∀`)
通販のように在庫と連動している訳ではなく、設定は手動でホストが更新しない限り募集し続けているように見えてしまうのと、メッセージでの詳細なやり取りが必要になるので確定するまでに数日は時間がかかるんですよね。
なので参考にするのが良さそうかなと。
Host ratingはゲストから見たホストの評価。
これが低い場合は何か訳ありなので避けた方が良いでしょう。
Last repliedはホストの最終返信日。
これが数ヶ月前とかになっているとほったらかしになっていて現在は募集していない可能性があります。
Reply rateはホストの返信率。
100%だと安心ですが、ここも低い場所は避けた方が無難。
その下に平均して何日後に返信しているかも記載されているのであまりに長いホストもやり取りに時間がかかり過ぎるので避けましょう。(上の画像だと16日後・・・)
Feedbackはホストとゲストの相互レビューの数。
これはかなり重要です。
特にゲストからの評価。
実際にどんな作業をしたのか、どんな食事が提供されたのかなど詳しく書いてくれている人もいるので要チェック。
求人情報だとざっくり「庭の手入れ」としか書いてなかったりするので。
レビューを見ると、畑を耕した、柵にペンキを塗った。とか実際の作業が書いてあります。
最初はダブルブッキングを恐れて1件ずつしか送らなかったのですが、返信が遅かったり断られることも多いので、最後は5件くらい同時にメッセージを送ってました。
実際はメッセージを何度かやりとりして合意したら決定なので、一度メッセージを送って見て返事があっても断って大丈夫です。
もちろん丁寧に断る必要はありますけどネ。
1日のスケジュール
ホストが見つかったら次はどんなふうにそこで過ごしていたか気になりますよね?
参考までに我々ドイツ北部にある田舎の農場での過ごし方はこんな感じ。
仕事日の1日
- 7:30:起床
- 8:00:朝食
- 9:30:その日やることのミーティング〜作業
- 12:30:昼食
- 14:00:作業
- 16:00:作業終わり〜リラックスタイム(シャワー)
- 18:00:夕食
- 19:30:リラックスタイム
- 22:00:就寝
これを火曜から土曜日までの週5日間。
日、月はオフ日なので完全フリーでした。
作業日も朝は9:30からスタートなのでゆっくりコーヒーを飲みながら朝食を食べれます。
作業は午前中に3時間、午後に2時間という感じで16:00に終了。
夏のように日が長ければ作業の後に何かできるかもですが、11月のドイツは16:30には日が暮れてしまうので作業後は家の中で過ごしてました。
たまにホストが焚き火を起こしてくれることもあったけど。
実際どんな作業をしていたかは後述。
スポンサードリンク
食事について
食事は朝食と昼食は各自用意。
作業日の夕飯は当番制でみんなで一緒に食事というスタイル。
滞在先によっては3食一緒のところもあるようです。
今回はゲスト用のキッチンがあったのでホストが用意してくれた食材を使って自由に調理することが可能。
食材は週1回ホストが買い物に行くのでショッピングリストを渡して買って来てもらいます。
おすすめのペーストやお菓子なんかも買ってきてくれました・・・!
農家らしく庭の野菜はどれも勝手に自由に使って良かったのは◯。
夕飯の時に
あ。キャベツ欲しいな。
じゃあ庭に採りにいこうか。
うわっ、寒い!
急げ急げ!
大急ぎで暗闇の中キャベツを採って逃げるように走って家に戻る我々。
側から見たら完全に野菜泥棒 笑
朝食
朝はこんな感じ。
- 野菜のレモンドレッシングサラダ
- パン
- ヨーグルト
- 庭のりんごを煮たやつ
- フルグラ
- コーヒーと手作りりんごジュース
パンは白パンが写ってますが、普段はライ麦を使った黒パンがメイン。
白パンには手作りのりんごジャム、酸味があって硬い黒パンはトマトとバジルのペーストや、ビーツのペーストなどしっかり味が付いたやつが良く合う。
フルグラはプレミアムと書いてあるだけあってめちゃくちゃ具沢山で美味しかったけど500gで3ユーロ弱(500円しないくらい)と日本で買うよりも安い。
朝は時間があるのでゆっくりコーヒーを飲みながら過ごせるので至福・・・!
昼食
昼はリゾットやパスタを作って食べることが多かった。
でも昼休憩は1時間半だったので作って食べたら割とあっという間であまり休めなかった。
そんな時に重宝したのがラーメン。
ドイツ(ヨーロッパ)ではスーパーに出前一丁が売っていることがある。
最寄りのスーパーにあって、ホストのデイビットも夜食べていると言っていた。
これは日本のラーメンだよ。
そうなのか!じゃあ今度作ってくれよ。
何も特別なことはしておらずただ作っただけだが一緒に食べたのも良い思い出だ。
デイビットは箸も持っていた。
この時は一緒に食べたけど、普段昼食は各自バラバラに食べる。
ちなみにこっちの野菜を使って作るとやたらカラフルになる。
夕食
仕事がある日は当番制でみんなで一緒に食べる。
日本の調味料が醤油くらいしか無いので庭の野菜をたっぷり使ったぎゅうぎゅう焼きやカレーなんかを作った。
本当なら出汁を持って行って何かしら日本食を作ってあげたかった・・・
こちらはデイビットが作ってくれたパンプキンスープ。
庭で採れたパンプキンを濾して作ったものだがトッピングのひまわりの種、パンプキンオイル、サワークリームが非常に良く合う。
スープだけなのだが、かなりお腹に溜まる。
もちろんパンと一緒に食べてもGoodだ。
ちなみにこっちのパンプキンはとても大きい。
最初飾りかと思ったら食用だった・・・
こちらはフレイヤが作ってくれたチリコンカンのような豆の煮込み。
かなりスパイシーだがめちゃくちゃ美味しかった。
真ん中のヨーグルトで味変しながら食べるのもGood。
美味しすぎて翌日の昼の分ももらってしまった。
2人は寒い時期こうした野菜をたっぷり使ったスープのような濃厚な煮込み系料理をよく食べているようだった。
こちらはこの農家にキャンパーバンで長期滞在しているカスティンの作ったトルティーヤパーティーの日のもの。
トルティーヤに好きな具材を乗せて食べる。
ヨーグルトやマンゴーチリペーストを最初に塗ってベースの味を付けているのが面白かった。
こんな感じで夜は暖かい食事をみんなで集まって食べた。
こうやって実際に現地に住んでいる人の食事を食べることができたのはとても良い経験だ。
レストランで食べる5,000円の食事よりも、こうして現地の食事の方が僕らにとっては何より価値があるのだ。
作業について
さてお次は実際にどんな作業をしていたかをご紹介。
農家と言っても大規模な場所ではないし、11月に入り畑を冬に向けて休ませる準備をするような段階だった。
だから地味な作業が多いが、立派な農家の裏側ということだろう。
庭の枝の破砕
この庭にはりんごの木を中心に沢山の木が植えられている。
それらの木の伸びすぎた枝をホストが切るのでそれらの枝を破砕した。
庭のあちこちに落ちている枝を集めてこの機械の上から投入すると中のブレードが破砕してくれる。
入口は意外と小さいので余計な枝を枝切り鋏で切りながら入れていく。
チップがすぐに満タンになってしまうので何度も下のトレイを取り外して一輪車へ乗せる。
溜まったチップは畑やコンポストに撒いて肥料に。
時間は地味にかかるが作業自体は負担も少なめ。
種まき
こちらは玉ねぎさん。
一定間隔に置いて、最後に土を被せる。
単純作業だが何度も立ったり屈んだりを繰り返したのでAzuは足腰をいきなりやられてしばらく筋肉痛になっていた。
久しぶりに手を泥だらけにして土の感触を楽しんだ。
土の壁作り
この作業が最も印象に残っている。
庭に積まれている土を一輪車で運んで土の壁を作るというもの。
この壁は翌年の畑のための良質な土になる。
まずはひたすら土を運ぶ。
なおこの土には石が含まれているので大きな石は取り除く必要がある。
石がゴロゴロ。
石を取り除いた土を一輪車で運んで指定された場所に撒いて積み上げていく。
これを永遠と何十往復も繰り返す。
そして壁のように積み上がったら落ち葉を上から被せる。
落ち葉は道にいくらでも落ちている。
バケツに集めるのだが葉っぱは雨や夜露でいつも濡れているので手がびしょびしょになる。
一桁台の中の作業はなかなか大変だ。
こうして出来上がった苦労の結晶。
なお土台はすでに作られていたので0からでは無い。
4日くらいかけて作ったのだが、ここでホストから追加で土台部分に生えている雑草を抜いてくれとのオーダーがあった。
すでに落ち葉をかけてしまっていたのでそれを取り除く必要があって二度手間になってしまった。
落ち葉と雑草を取り除いたところ。
雑草があったのは最初から気になっていたのだが、特に何も言われていないので進めていた。
これは最初に聞いておけばよかったなぁと反省。
そして最後にネギを植えた。
翌年の畑作りだと思っていたのにネギだけここに植えることになった。
最初からそのつもりだったのか途中で変わったのかはわからないが、全体像を把握してからの方が絶対に良いと思った(2回目)。
最後に落ち葉と羊の毛を置いたら完成だ。
白と黒のが羊の毛。
こうすることで温度や湿度を保てるそうだ。
光もあたらないので雑草も生えにくくなるんだとか。
この作業は5日ほどかかかった。
最初の1週間はほぼこの壁作り。
とにかく上半身がずっとバッキバキ。
カミーノでは下半身を鍛えたがここでは上半身をめちゃくちゃ使うことになった。
小さな畑の手入れ
石垣の上にある畑の手入れ。
雑草を抜いてから落ち葉を撒いて、作物の周りに羊の毛を巻く作業。
羊の毛がマフラーのようで可愛い。
見た目良し!
作物にも冬の装いがあるんですね。
キャベツの収穫
もう今年のキャベツはお終いとのことで、キャベツを収穫する。
その後は残った部分を根ごと抜き取ってコンポスト(堆肥を作る場所)へ。
さっきまで収穫していたものを根こそぎ取るのはなんだか心が苦しかった。
大量の元キャベツたちは肥料になって来年の作物の栄養になる。
キャベツの食品加工
収穫したキャベツはとても食べられる量では無いので保存食を作った。
まずはこのキャベツを千切りにする。
包丁が一つしか無いのでこの作業はAzuの専任。
1日かけてキャベツを切り続けた。
無事にAzuの手首は死亡。
なお、ここの農園はオーガニックにこだわっている。
なので化学薬品は一切使っていない。
めちゃくちゃ美味しいわけだが、それは虫たちにとっても同様だ。
とんでもない数の芋虫やナメクジがいるのでそれらを排除するのも大変だったそうだ・・・
翌日はそのキャベツの加工。
りんごとりんご酢やリンゴジュースに砂糖を加えて煮込む。
作っているのはアプフェルロートコールというドイツの定番料理。
酸味のある茹でたキャベツのような感じ。
煮込んだらそれを煮沸して消毒したポットに詰めていく。
煮沸消毒は食品保存の基本だ。
ほら!mosari!もっと液体詰めて!!
はい!先生!
出来上がった保存食たち。
これは倉庫で常温保存して食べていくらしい。
少しずつ保存できる食べ物を増やしているの。
そうフレイヤは言っていた。
最初はりんごのジャムから始まって今では数種類の保存食がストックされていた。
完全な自給自足にはならないけれど、少しずつ増やしていきたいと言っていた。
すごいな・・・
焚き火用の薪集め
一番キツかったのがこれ。
野原に行って焚き火用の薪を集めてきてくれ。
そう言われて野原へ向かうとすでに切り落とされた太い木が数ヶ所に転がっていた。
それを拾い集めて二輪車に乗せて保管場所へ移動する。
木の枝はけっこう大きくて1人では持てないサイズもあった。
これを二輪車に乗せて運ぶのだが、
ぐおおおおおおお!お、重すぎるううう・・
重さはもちろん足場が悪すぎる。
長く伸びた草が邪魔だし、何より平坦じゃなくて凸凹しているのでめちゃくちゃ引きにくい。
ゲロ吐きそうになるくらい疲れた。
朝の気温は5度程度しか無いが大汗をかいた。
運んだ薪は2年かけて乾かしてから使うそうだ。
乾かさずに使ったら煙突の中が汚れて詰まってしまうんだとか。
畑の雑草抜き
Azuがキャベツと戦っている間にmosariがやっていたのが畑の雑草抜き。
この一面に広がる雑草全てを駆逐する。
まずは大きなフォークで根ごと掘り起こす。
そしたら今度は根ごと回収する。
ここは人によって一番クオリティに差が出る部分だと思った。
表面上の草を適当にちぎればぱっと見は終わったように見える。
だが雑草ってやつは根ごと抜かないとすぐにまた生えてきてしまう。(厄介なことに茎は簡単にちぎれてしまうので根ごと抜くのは容易ではない)
この後シートを被せるので多少は目を瞑っても良いのかもしれないが、日本人的にはここはしっかり根ごと取っておきたかった。
雑草取りは根ごと抜くのが大事だってお母ちゃんが言ってたもん。
1日半くらい奮闘したところで援軍が。
近くに住む女の子なのだが思いっきり表面上の草しか取っていない。
あまり積極的じゃ無い様子だし音楽聴きながら時たまスマホをいじりながら作業をしていた。
ぶっちゃけ1人だと最終日までに終わらなかったし、助かったといえば助かったのだが、少しモヤモヤする出来栄えになった。
最後はシートを被せて来年までこの畑はおやすみだ。
背中がバキバキになったが一応?終わってよかった。
屋外ライトの設置
ドイツの秋と冬は日が落ちるのが早く、ずっと曇りなので鬱々としてしまう。
そんな訳で屋外ライトを設置して明るくすることに。
ライトの電装系はカスティンがやってくれたので我々はポールを立ててライトを固定するところ。
穴を掘ってポールを立てて固定。
固定用のフックを取り付けて、ライトの線を引っ掛けて固定していく。
・・・
・・
・
めっちゃええやん・・・
点灯すると思わず、
おぉ・・・・
と声が漏れた。
完全に日も落ちていたけど、このライトの点灯を見守って我々の最後の作業が終わったのであった。
作業日はほぼずっと曇り。
たまに霧雨が降ったり、太陽が見えることもあったけど、ほぼ曇り。
気温は一桁台。
手が濡れると一気に身体が冷える。
最後の方はフリースにダウンを着込んでいたがそれでも作業内容によっては寒かった。
長靴ってのもかなり冷える。
ハイキング用の厚手の靴下があってほんと命拾い。
屋外活動中心の場合は気温や天気も大事・・・!
スポンサードリンク
作業を振り返って
小さな地味な作業の繰り返しではあったけれど、2週間を振り返ると確実に庭は綺麗になっていた。
冬に向けての準備が大半だったけれど、農家の裏側が知れたのは良い勉強になったと言える。
甘くは無い。
素直な感想はこれである。
とにかく体力が必要だし、あれもこれもやらなければいけないのでキリがない。
それでも小さなことをコツコツと続けていく。
収穫した時はそれはそれは楽しいのだろうが、裏側には途方も無い苦労があるのだと改めて実感。
この辺りは弓場農場でもそうだったけど、ほんと作物を作るというのは本当に大変だ。
それなのに売られるのは数十円、数百円というのだから恐ろしい話だ。
それでも前向きに毎年試行錯誤しながら自分たちの楽園を作ろうとしているホストのデイビットとフレイヤの姿勢は仕事ばかりだった我々にはグッと来るものがあった。
どのレベルでどこまでやるのかはわからないけれど、日本に帰っても少しは土いじりができるといいな。
そう思った。
きっとその時にこの経験の何かが活きるはずだ。
英語力について
さて、ここまで読んでいただいて楽しそうと思った方、つまらなさそうだなと思った方。
色んな意見があると思います。
それでも興味を持ってくれた方が次に気になるのがコミュニケーション、つまり言語でしょう。
WorkAwayは求人ページにホストの対応言語が書かれているので少なくとも英語があるホストが最初はいいでしょう。
一方で我々の英語力は正直中学生レベル以下です。
mosariの英語力はキンダーガーデン(幼稚園)レベルだと言われたこともあります。
それでもまぁなんとかなります。
今は翻訳アプリも優秀ですからね。
1日の作業については毎日9:30のミーティングで確認がありました。
こんなふうにホワイトボードにタスクを整理してくれます。
まぁぶっちゃけわからない単語だらけでした(;´∀`)
Earth Pilesを運んでくれ。
・・・地球の杭?
実際はEarthは土、Pileは積み重ねたという意味。
つまり積まれた土を運ぶ。ということだった。
もうマジでわからんちんでしたがホストもこれまでゲストを100人以上受け入れているのでこちらがアホでもちゃんと理解してくれています。
I show you.(見せてあげる)
ちゃんと現場に行って何をどうするのか説明してくれるので作業は理解できます。
これに関しては最初にメッセージを送る時に英語は学習中だとちゃんと伝えておけばOKです。
大事なのはやる気です。
言語を言い訳にしていたら一生日本から出れないので、ボランティアという制度をうまく使ってみてはいかがでしょうか。
作業内容もそうですし、現地の暮らしに混ざるのは観光では得られれない貴重な経験。
これが滞在費タダでできるなんて夢のような制度です。
実際この制度を使って子連れで1年以上旅している日本のファミリーもいるくらいです。
海外志向を養う最高の学習機会になるんじゃないかと。
これからは英語ができるできないで将来やれることの可能性も年収も段違いですからね・・・
スポンサードリンク
田舎の小さなパン屋さん
我々の滞在している小さな村にはパン屋が1軒あるくらい。
そのパン屋さんはなんとお隣。
当然ホストのデイビットとフレイヤともツーカーの仲だ。
そんなパン屋さんを1日手伝う機会を与えてくれたのだ・・・!
8:00にパン屋に行くとアーヒムが出迎えてくれた。
中にはキューバ人の奥さんのベルタも。
ベルタは英語が喋れないので我々のサバイバルスペイン語でコミュニケーションをとった。
準備が済んだらパン作りスタート。
最初は注文票を元にパンに必要な小麦などを配合し始めた。
その数なんと15種類。
日本のパン屋に比べたら少ないかも知れないが、小麦とライ麦、塩などの割合を変えた粉が次々と用意されていった。
そのパンの素とも言える粉をベルタの元に持っていくと機械を使ってコネコネ。
こちらはドイツパンの代名詞とも言えるライ麦を使った黒パンのタネ。
pH値が大事だと教えてくれた。
この値で酸味が決まるそうだ。
何種類もタネを作っては重さを測って切り分けていく。
重さはこの味のある測りを使う。
上部にある分銅?をスライドさせて指定の重さをセット。
規定値を超えるとお皿部分が浮き上がるようになっていた。
こういう味のある古い器具は大好きだ。
一手間必要だけど、それが愛おしいんだよな。
古いものほど、いいもんなんだ。
僕もせっせとパンを成形した。
重さを測るとかはいいけど、形ってすごい大事なのでは?
めちゃくちゃ不安になりながら初めてのパン作り。
一番右下のがアーヒムが作った正解。
似たようにできた・・かな?
寝かせて膨らんだパンたちを釜に入れてパン焼き。
パンごとに加熱時間を変えて何個も焼いていく。
釜、めっちゃ暑いです(;´∀`)
mosariパンが焼き上がった瞬間。
いや、これは嬉しいぞ。
そして最後はお楽しみのアレ。
砂糖とバターたっぷりの生地に洋酒に漬けたドライフルーツを入れて形を整えて、最後にアーモンドをまぶして型に入れていく。
そう、これはドイツのクリスマスシーズンに食べる伝統的な焼き菓子、シュトーレン(シュトレン)作りなのである。
アマゾンの奥地で伝統的な口神酒(マサト)作りを手伝った時もそうだけど、その国の伝統的なものを一緒に作るのはとても楽しいし貴重な経験だ。
型をオーブンに投入。
美味しく焼けてくれよー。
焼き上がりを何回か確認しながらいい感じの色になるまで1時間ほど焼き続ける。
そして焼きあがったら最後の仕上げだ。
甘い香りに包まれた熱々のシュトーレンに溶かしたバターをこれでもかと塗っていく。
終わったのは17時ごろだったかな?
朝からずっと作りっぱなしだった。
このパン屋は店頭販売はしておらず、明日注文のあった場所へ車で配送する。
そんな訳で1日パン屋さん体験であった。
いや、めちゃくちゃ面白かったです。
ありがとう!
アーヒムとベルタ!
お土産にいただいたパンたち。(写真には写ってないけど白い小麦のパンもいただいた)
こうして海外のパン屋さんで売り物のパンを焼くという貴重な経験ができた訳なのだが、アーヒムとベルタは我々の仕事最終日にディナーにも招待してくれた。
まずは食前酒としてシェリー酒。
めっちゃ甘い。
そして肝心の食事。
こちらは「Schweinebacke(豚の頬肉の煮込み)」。
油がジューシーなのだけど豚臭さとかは一切無くて単純に美味い。
付け合わせは「Grünkohl mit Pellkartoffeln(キャベツとポテト)とKochwurst(牛のソーセージ)」。
ソーセージは旨味たっぷり。
やはりドイツといえばソーセージだ。
そして野菜も美味しい。
キャベツは肉と一緒に煮込んでいたはずだが全然油っぽく無くさっぱり。
ポテトはクミンと一緒に蒸したものでホックホク。
デイビットが、
これはリアルジャーマンフードだよ。僕たちもレストランじゃ食べれない。祖父母が作ってくれるような家庭料理だよ。
と、言っていた。
いや、ほんとこういうのが食べたかったんですよ・・・
ドイツの田舎街。
ボランティアをしにきたら隣のパン屋さんで1日働かせてもらい、その後ディナーにも招待してくれた。
リアルジャーマンフードを食べながら過ごす夕食。
こんな贅沢があっていいんかね?
ドイツらしい観光は一切していないけれど、現地の暮らしを垣間見ることができた。
本当にみなさんありがとうございました。
最後はベルタの出身国であるキューバのデザートを食べた。
えびせんべいみたいにサクサクの焼いた生地に砂糖をまぶしたもの。(後ろのはプティング)
みんな満腹だったけど、
私たちは二つの胃袋を持ってるから大丈夫よ。
フレイヤがそんなことを言っていた。
デザートが別腹ってのは世界共通なのかもしれない。
菜食主義と動物の尊厳
さてさて、最後に貴重な学びについて。
それが菜食主義と動物の尊厳。
到着してから知ったのだが実はホストのデイビットとフレイヤは菜食主義だった。
いわゆるベジタリアンってやつだ。
ベジタリアンという言葉は聞いたことがあるけど日本だと出会ったことはないって人も多いんじゃないでしょうか。
海外だと割といて、カスティンは周りの体感だと20%くらいいるんじゃないかと言っていた。
日本は1%以下だよ
そう伝えるとフレイヤはとても驚いていた。
ベジタリアンとは野菜しか食べない人を指すが、厳密にはそれはヴィーガンになる。
ベジタリアン:動物性のものは食べないけれど、乳製品や蜂蜜などは人によっては食べる。
ヴィーガン:動物性のものは一切食べない。
という違いがある。
彼らはベジタリアン。
旅の途中で出会うことはあれども実際にベジタリアンのお家にお邪魔したのは初めてだ。
夕食は一緒に食べるからベジタリアンの食事で良い。
郷に入れば剛に従うというやつだ。
でも朝と昼は別々に食べるから我々が食べる分にはいいのかなと思ってショッピングリストに鶏肉を書いてみたらそれはNGが出た。
思い切って聞いてみた。
なぜベジタリアンなの?と。
彼らからは思いも寄らない回答が返ってきた。
いや、ベジタリアンの中では至極普通の考えなのかも知れない。
でも僕らはそれを考えたことは無かった。
家畜の飼育環境はとても悪い場合が多い。それは動物の尊厳が守れていない。その肉を食べるということはそれに加担しているということだ。
とても驚いた。
僕らはブラジルの弓場農場で牛の解体を目の前で見ている。
あの時は、
お命を頂戴している。だからこそ感謝して食べないといけない。
いただきますの意味を知ったつもりでいた。
でもそれだけじゃ足りなかった。
その動物がどう生きていたかを知らなかったのだ。
場合によっては牛は一生ほとんど身動き取れないまま育てられ、工場に運ばれる。
工場に着いた瞬間、牛たちはパニックに落ちいるそうだ。
工場の中から漂う匂い、牛たちの聞こえざる悲鳴を感じ取ってこれから我が身に起きることを本能的に理解すると言っていた。
その時の牛の瞳が忘れられない。
そうフレイヤは語った。
だから彼女は肉を食べることを辞めた。
厳密には飼育環境の悪い=尊厳が守られていない肉を食べない。
つまり牛たちが自由に歩き回れるような牧場で育てられた牛であったり、野生動物を狩ったものは食べるということ。
あくまで動物の尊厳が価値基準になっていたのだ。
私たちがベジタリアンを始めた頃(9年前)は肉の変わりといえば豆腐くらいしか無かったわ。でも今は違う。肉と同じ味の植物性の代替肉があるもの。値段も対して変わらない。ならそっちを選ぶことにしたの。
一番安い肉は科学的なものを食べさせたり、劣悪な環境で育てられていることが多いそう。
それは絶対選ばない。
それを避けると代替肉(ソイミート)はそこまで高いものではないそうだ。
ドイツのスーパーにはこのようなヴィーガンの製品がたくさん売られている。
鶏肉であったり、ソーセージであったり。
でも原材料は植物性由来のものでできている。
味はもちろん栄養価も近しくなっている。
匂いもかなり近いものも売っていて、一度フレイヤがソーセージを焼いていて驚いたことがある。
あれ?なんで肉焼いてるの?
と、びっくりして聞いてみたがそれは植物性のものだったのだ。
いやはや欧州は進んでますな・・・
こうしたヴィーガン製品の他に、アニマルウェルフェアに配慮した製品も売っていた。
アニマルウェルフェアとは、動物が生きて死ぬまでの間、身体的・心的状態が良好で、ストレスを少なく、健康的な暮らしができるように飼育することを目指す考え方。
例えばこのミルク。
グーグル翻訳したものだがストレス無く飼育するように配慮している旨が記載されている。
動物にも福祉があるのだ。
このファームにも鶏がいて卵の恵をもらっている。
でも鶏たちがのびのびと過ごせるように育てている。
日本人にはあまり馴染みの無い発想。
食べ物には感謝する文化はある。
いただきます。
ごちそうさまでした。
この二つの習慣は海外の人からも絶賛される。
それくらい日本人は食べ物への感謝を持っている。
でも動物の尊厳については考えたことがほとんどない。
だって僕らは狩りもしないし、スーパーでカットされた肉しか見ないからだ。
食べられる形をした肉を当たり前のように買っているから気づかない。
だからと言って肉を食べちゃいけないとは思わない。
生きるために必要だ。
少なくとも今の日本では。
だけど知らないのはダメだ。
知った上で食べるのをやめるか、感謝しながら食べる続けるか。
そのどちらかだ。
僕は後者だ。
まだ肉を辞めることは難しい。
でも考えるいいきっかけになったし、もう少し現状を知っても良いと思えた。
それは学びだ。
Azuもかなり悩んでいた。
動物の尊厳は大事だよ。でもお肉も食べたいし・・・うーん、うーん。
Azuにしては珍しく滞在中ずっと悩んでいた。
とても良いことだと思う。
悩んで悩んで自分なりの答えを見つければいい。
ずっともやもやしていたAzuだったが、仕事最終日にアーヒムが作ってくれた豚の頬肉を食べてとても感動していた。
やっぱり美味しい・・・。お肉はやめられないわ。
実際アーヒムの豚肉はとても美味しかった。
2週間ぶりの肉ということもあってそれはそれは美味しかったのだ。
僕らは肉を食べ続けるけれど、より一層感謝して食べるだろう。
ベジタリアンの家にボランティアに来てよかった。
心からそう思う。
世界一周の延長戦とも言えるこの3ヶ月で我々は3つの家庭にお邪魔している。
旅の途中で出会ったデンマークのジョンとキトゥのお家。
こちらも旅の途中で出会ったノルウェーのウィリーとエレンのお家。
そしてここドイツのデイビットとフレイヤのお家。
いずれもオープンマインドで素晴らしいエネルギーに満ち足りた家族たちだった。
この3つの家庭に共通していたのは食卓にテレビが無いこと。
家族との時間を大切にするというのもあるんだろうけれど、食に対する感謝という意味もあるのかもしれない。
日本だとテレビを見ながら食事するという家庭も多いのではないだろうか?
まずは食事中にテレビを見るのを辞めて、家族、そして食事に対して感謝をして集中して食べてみることをおすすめする。
食事に集中すると細かな味に気付けるし、感謝すると食事がいっそう美味しく感じられるはずだ。
最後の夜
さて、色々と書き綴ったがもう少しだけお付き合いいただきたい。
僕らがここを出発するのは月曜日の朝。
ここは日曜と月曜が休みなので出発前日は丸っとオフの日だ。
来た時よりも綺麗に。
その気持ちで我々が使った部屋やキッチン、リビングを掃除して過ごした。
本当はスーパーに行ってお土産でも物色したかったのだが、
日曜日はスーパーもクローズよ。
ドイツよ、お前もか。
いや、日曜日は休んだ方がいいな。
日本人働きすぎだもん。
そんな訳で家に引きこもって今後のニュージーランドのことを調べたりブログを書いた。
掃除なんかを一通り終えて夕食を作っているとフレイヤがやってきた。
最後だから夕食は一緒に食べましょう。
すでに作り始めていたがお互い少しずつ持ち寄って食べることになった。
そんな訳でお互い持ち寄った料理をお皿に盛り付けて食べる。
日本からは
- ニンジンの和風炒め(千代の一番を使った)
- ズッキーニとソイソーセージ炒め
- ナスの甘酢醤油炒め
- ライス
ドイツからは
- ファラフェル
- アプフェルロートコール
一緒に作ったアプフェルロートコールを最後に食べられてよかった。
彼らも日本の炒め物を気に入って食べてくれた。
ドイツ人は酸味が好きっぽいので甘酢炒めが特にヒットしていたようだ。
2週間ありがとうデイビット!フレイヤ!
食事中は日本の捕鯨について聞かれてドキッとしたりしたものだが、本当に2人にはお世話になった。
貴重な経験が出来たし、色々と考えるきっかけもくれた。
何より2人で農場を購入して試行錯誤しながら年々パワーアップさせているという姿勢には強く感銘を受けた。
自分たちが幸せに暮らせるために努力する。
それはとても美しかった。
食後に洗い物をしていると2人が戻ってきて、
これはお土産だよ。
そう言って庭で取れた西洋かりんを使ったジャムをくれた。
色々と手伝ってくれてありがとう。
素晴らしい働きっぷりだったわよ。
そう言ってくれたデイビットとフレイヤの2人とハグするAzu。
ちょ、俺まだ洗い物してるんだけどwww
慌てて中断して2人にお礼を言ってハグをした。
ほんといいところに来れた。
感謝だ。
じわっときているともう一つ嬉しい出来事が。
これはアーヒムからだよ。
なんと隣のパン屋のアーヒムがプレゼントを用意してくれていたのだ。
これはちゃんと挨拶しないといけない。
隣の家に行って庭にいたアーヒムに何度も何度もお礼を伝えた。
1日手伝っただけだけど、夕食をご馳走してくれて、最後にお土産まで用意してくれるなんて・・・
嬉しすぎるよ。
だってシュトーレンなんだもーーーーん!!
この間僕らが作るのを手伝ったやつ。
寝かせたからスパイスが効いてより美味しくなっているそうだ。
これは最高の日本へのお土産になった。
ありがとうアーヒムぅうう!
横にあるのはデイビットとフレイヤがくれたジャム。
食べるの楽しみぃいいい!!
最後の最後まで素敵な出来事。
こうして僕らの初めてのWorkAwayが終わったのだった。
ブログでは書ききれていない多くのことがあったけど、流石に長すぎるのでここらでおしまい。
本当に海外でのボランティアはおすすめなので興味がある人は検討してみてはいかがでしょうか。
きっと何かしら発見があると思いますよ。
■Instagramはこちら
フォローするとAzuとmosariが喜びます。
ブログでは伝えきれない動画などもあるので合わせてぜひ。
ストーリー欄を要チェック!
フォローといいね、コメントお気軽に。
https://instagram.com/jgclife.globe_trotting
明日はボルムの街を離れてデンマークの首都コペンハーゲンへ向かいます。
そう、帰国です・・・!
延長戦のヨーロッパ編ももう終わりなんですよぉおおお。
それでは!
ボランティアお疲れさまでした。
最後まで読んで、ちょっと感動して涙が出そうになりました。
気をつけて帰国されて下さい。最後までブログ楽しみにしています。
sgさま
こんにちは!
コメントありがとうございます。
めちゃくちゃ長文になってしまって誰が読むんだろうか・・・と思っていましたが最後まで読んでいただけて嬉しいです。(しかも感動していただけるなんて・・・)
この後は一時帰国を挟んでニュージーランドへ向かいますので、引き続きよろしくお願いします。