カミーノ9日目 Azu覚醒する スペイン【世界一周500日目】

【世界一周500日目】2024.9.10 スペイン

残り626.6km

Sansol→Logroño

歩行距離20.8km

気温:13度〜22度

歩数:32,122歩

1ユーロ=157.22円

mosari
昨日休息日に少し歩いた分今日は短めのはずだが?

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ゆっくりカミーノ

ふがっ!

ハッとして目が覚めた。

昨日はピルグリムメニューを食べた時にドイツ人のマルティンとニュージーランドのおばあちゃんにワインをたらふく飲まされた。

ベッドに戻って来てそのまま寝落ちしてしまっていた。

時計を見ると2時半。

確か戻って来たのが21時半くらいなので5時間くらい熟睡していたみたいだ。

それにしても頭が痛い。

二日酔いになっている気がする(;´∀`)

なかなか寝付けないでベッドの上で何度も寝返りを打っていると、

ボーン!ボーン!ボーン!

教会から鐘の音が3回鳴り響いた。

夜中であっても鐘は鳴るのか。

またも知らなくても困らない事を発見したのであった。

その後4回の鐘の音を聞いた気がするが記憶は定かでは無い。

ガサガサ

部屋の中から音がし始めた。

5時か5時半頃なのだろう。

我々は6時半に起きるつもりなので無視して寝続けた。

6時半に起き上がると半分はすでに出発した後だった。

残りの半分もほぼ準備を整えて終わっているような感じ。

彼らは今日も20km以上歩くはず、中には30kmという人もいた。

だが我々は10kmちょっと。

早く出てもあまり意味がないのである。

そんな訳で朝食。

昨日マーケットで買っておいたものを食べた。

もはやハムとチーズのサンドイッチが定番になっている。

というかこれくらいしか手軽に買えるものがない気がする。

出発前にシーツを剥がしてオスピタレロが清掃しやすくしておく。

このアルベルゲのマットレスは初めて布製だった。

これまでのアルベルゲは全てビニール製。

多分ベッドバグ対策なのかな?

ビニール製なら虫が入り込めないから清掃時に発見しやすくなるはず。

でもこのように布製である事もあるようだ。

カミーノ中にベッドバグにやられた人の話はたまに聞くので注意しないとな。

無駄にゆっくりして7時半にアルベルゲを出発。

軽い足取り

起きた時は真っ暗だったが出発する時には少し明るくなり始めていた。

今日は10kmだから楽ちん。

昨日は7kmほどしか歩いていないので身体も随分と楽になった。

足取り軽く歩き始める。

1kmしか離れてないのであっさりお隣の「Torresdel Rio」に到着。

坂を登っていくと曲線をうまく取り入れた教会を発見。

この淡い色をしたレンガが素敵なんだよな。

壁に描かれたこの街。

さっきの教会はもちろん周りにあるぶどう畑なんかも上手に描かれていた。

壁の前にはオリーブの木が植えられていた。

小さな街だけどなんだか良い雰囲気の街。

街を出てすぐに木を見上げるピルグリムたちを発見した。

1人が木の実を取って踵で踏み始めた。

割れた殻の中からは見覚えのある姿が。

アーモンドよ。

おぉ、まじか。

この殻を割るとあのよく見るアーモンドが出てくるのであった。

もちろん炒ってない生のアーモンドだから食べてもアレかもしれないが。

街を抜けるとまたずーーーっと穀倉地帯が続く。

と言ってもすでに刈り取られた後のようで人の気配は無い。

今はピルグリムだけの道になっていた。

時折り刈り取られた藁のようなものがブロック状になって積まれている。

近づいてみるとその大きさがよくわかる。

デカすぎぃ!

ひたすら歩いていくが曇りで暑く無いし、昨日身体を休めたおかげでAzuも元気。

今日はよく喋る。

mosariって変なやつだよね。わざわざこうやって大変なことを選んだりするよね。

そう?でもまぁ僕は苦労を楽しめるタイプだからね。カミーノ楽しいよ。

まぁ、認めたく無いけど、認めたく無いけど、少しわかるよ。毎日頑張って歩いて小さな達成感を味わえるし。あ、スタンプラリーもね。

うん、そうやってAzuなりの楽しみを見つけていこう。

どうやら昨日歩く距離を短くして正解だったみたいだ。

すごく上機嫌で歩いている。

どこまでも続いていく道を2人並んでずーっとおしゃべりしていた。

あぁ、幸せだ。

Azuが幸せそうだと僕も幸せになる。

デンマークの友だちのウィリーが言っていた。言葉を思い出す。

Happy wife. Happy life.

妻が幸せだと人生は幸せ。

まさにその通りだ。

歩き始めた3日間は毎日ちょっとした事で喧嘩してどうなることかと思ったが、今はこんなにも充実しているよ。

途中で石がたくさん積まれた場所があった。

この巡礼の途中で亡くなった方達のものだ。

いつかは我々も離れ離れになってしまう。

そう思うととても怖くなった。

僕らももうアラフォーだ。

残りの人生は後半分くらいだろうか。

今やりたい事をやらなければ後悔するかもしれない。

やらない理由を探すんじゃ無くて、やりたい思いを大事にする人生にしないとな。

人生は短いんだ。

人生100年時代だなんて言うけれど、僕もAzuも太く短くて良いと思っている。

金と健康が両立していれば長生きする意味もあるだろうけれど、そのどちらかが欠けていれば途端にハードモードだ。

今、やらないと。

誰もいない巡礼路、鳥の囀りがたまに聞こえるけれど、それ以外は何も無い。

ただただ我々は2人だった。

綺麗に植えられた葡萄の木。

なんだかとても美しく見えた。

絶景も良いが、こうした人の営みによって作られる情景もとても美しい。

今日は小さな街に泊まってゆっくり出発したから本当に静かだ。

松ぼっくりが大量に木に成っていた。

地面によく転がっているイメージがあったんだけどな?

途中でフードトラックがあってピルグリム達が休憩していた。

まだまだ元気だったので我々はスルー。

2人して話をしていたらあっという間に今日の目的地が見えて来た。

まるでドラクエの世界。

街を見つけた時の嬉しさをリアルで体感している。

10:15 Viana到着

今日の目的地だ。

何かお祭りがあるのか街には旗が吊られ、所々に仮設のステージがあった。

とりあえず腹ペコなのでパン屋に吸い込まれていく我々。

もう10時過ぎだがピルグリム向けの朝食としてコーヒーとパン1個のセットが2.2ユーロで売っていたのだ。

チョコ付きのクロワッサンがパン屋で選んだもの。

上のサンドイッチは昼用に昨日の夜に作っておいたやつ。(朝と同じ)

クロワッサンは生地自体がふわふわで美味しい。

ヨーロッパはパンがうまい!

そして運動していると甘いチョコが最高だ。

街の大きな教会。

あまりに石の門作りが立派過ぎる。

全く聞いた事も無い街だけどすごいものがあるものだ。

が、中に入ると既にその機能は失われているようで廃墟のような跡と、展望台があるだけだった。

さて、後はアルベルゲに向かって、、、

歩くか。

Azuがポツリとそう言った。

実は今日はこの街を目的地にしつつも、身体も軽いし次の街に行くかどうか道中悩んでいたのだ

休んでもいいし、進んでも良い。

その判断はAzuに任せていたが答えは「進む」だった。

あれだけ辛い辛いと言いながら歩き、休息日を楽しみにしていたAzu。

でも今日は進む事を選んだ。

それは受け身のカミーノから、主体的なカミーノになった事を意味する。

Azu覚醒。

前向きになったAzuを嬉しく思いながら街の出口へ向かった。

街を出て再び巡礼路を歩く。

Azu、良い顔してるよ。

え?可愛いってこと?

いや、覚悟を決めた戦士の目をしている。

なにそれ。って言うか今否定したね?

平和な世界だった。

街を出て40分くらいしたところで歩道橋があった。

歩道橋からは真っ直ぐに先ほどいたVianaまで道が伸びていた。

車なら3分の距離だろうか。

それをぐるっと巡礼路を通って40分かけて歩いて来た。

なんとも贅沢な時間の使い方だ。

途中で葡萄畑で収穫している人たちを見かけた。

この時初めて農作業しているシーンを見かけた。

歩いて少しエリアが変わったのだろうか。

農作業しているおじさんが日本人かと聞いて来たので「そうだ。」と答えると。

日本最高ー!

と返してきた。

日本人に好意的な感情を持っている人が多くて旅本当にありがたい。

これも先人達のおかげだ。

この後もたくさんのことを話した。

2人が再会した時のこと。

お互い結婚前にしていた趣味のこと。

日本にいた時の生活のこと。

日本に帰った後のこと。

あっという間に今日2回目の目的地に到着した。

20kmほどの距離を約5時間の移動だった。

12:50 Logroño到着

やっぱり街の入口には大きな橋が。

手前に巡礼者向けのインフォメーションセンターがあった。

スタンプをもらいつつ、この街の情報を教えてもらった。

まずはアルベルゲ探し。

37ベッドの公営アルベルゲがあるのでそこを目指す。

今は13時ちょっと過ぎ。

この時間なら空いてるはず…!

旧市街を通って目印の教会を目指す。

教会を発見したがこれまた随分と立派だ。

この建物の脇がアルベルゲ「Albergue Parroquial Santiago El Real」のようだ。

集合住宅に見えるが先ほどの教会の一部なのである。

このアルベルゲのオープンは「ブエン カミーノ」アプリでは15時になっているがら先ほどの案内所では14時と言っていた。

今は13時なので最低でも1時間は待つ。

他のアルベルゲなら既にチェックイン出来たが、ここは寄付制なのでここにすることに。

夕食と朝食が付いているそうなのでレストラン探しをしなくて済むし、前回の寄付制宿の雰囲気が良かったからだ。

我々は16番目に並ぶことができたようだった。

1時間休憩したところで14時に受付が始まった。

が、なかなか呼ばれない。

結局30分以上待ってようやく我々の番に。

すぐになかなか呼ばらなかった理由がわかった。

このオスピタレアの2人はとてもよく喋る。

冗談を交えながら説明をしてくれてとても丁寧だった。

案内されたベッドはサイドレールの無い落ち放題ベッド。

寝相の悪い僕は落ちて死ぬかもしれないので今日は寝相の良いAzuが上。

シャワーは熱々が使い放題。(排水は悪かったが)

庭で洗濯物を洗って干したらスーパーへ。

夕食と朝食は付いているが、前回寄付制の宿に泊まった時は朝食がトーストくらいしか無かったのでバナナや、昼のパン(生ハムとチーズ)、そして今の小腹満たしを買った.

とりあえず腹ペコなので1.3ユーロ(205円)のサンドイッチを2個食べた。

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Albergue Parroquial Santiago El Realのミサ

宿に戻ったらブログを書きつつ、19時になったらミサに参加。

既に鐘が鳴っていたので走って向かう。

アルベルゲの脇にある教会に入る。

ちょうど始まるところのようで後ろの席に座って見学。

目の前には黄金に光る巨大な彫像。

金の装飾に差し込む光が反射して金色に輝いていた。

それはあまりに現実離れした美しさ。

ふと鳥肌が立っているのに気がついた。

まさかたまたま立ち寄った村でこんなにも美しい教会に出会えるとは…

そして教祖と思われる方が教えを説き、カトリック達がそれに応える。

何度かそれを繰り返すと教祖の方がパンらしきものを食べ、ワインと思われるものを飲んだ。

その後信者に何か食べ物を配っていた。

最後に、

ピルグリム

そう声がかけられると何人かが壇上の前に並ぶ。

我々もピルグリムだがクリスチャンでは無いので前には行かなかった。

名前と国籍を順に伝えると我々ピルグリムが無事にサンティアゴに到着出来るように祈ってくれたようだ。

終わった後だったが我々も名前と国籍を呟いておいた。

きっと我々の声も神に届いただろう。

サンティアゴに無事に辿り着くぞ。

後でわかったがこのイベントだったようだ。

毎日19時から行われているのでこの街に来たピルグリムの人は是非ご参加を。

宿に帰ったら20時から夕飯だ。

この宿は寄付制なので事前に説明があった。

この食事は無料です。

ただし寄付は受け付けています。

あなたが今食べる食事は昨日泊まった人からの善意によるものです。そしてあなたの寄付は明日誰かの食事になります。金額は問いません。1000ユーロでも構いません。

そういうと大きな笑いが起きた。

カミーノとはまるで小さな人生のようです。

良い時も良くない時もあるでしょう。

時には痛みを伴う事もあるでしょう。

それでもあなたは進み、サンティアゴに辿り着くでしょう。

そんな感じの事も言っていた。(この辺は英語で話してくれた)

その後それぞれが名前と国籍を順に言い合うことに。

先頭の男性が話した後2番目のAzu。

I’m from Azu.(私はAzuから来ました)

I’m Japan.(私は日本です)

Azuテンパって逆に言ってしまうのであった。

突然だとね(;´∀`)

こんな感じでも2年近く世界中旅できます。

さぁ、安心して世界に飛び出しましょう。

多い国籍は、

  • スペイン
  • イタリア
  • フランス
  • ドイツ
  • アメリカ

珍しい国籍は、

  • 香港
  • 台湾
  • ポーランド
  • カナダ
  • ニュージーランド
  • 日本

という感じ。

挨拶が終わったらピルグリムの為の詩を歌ってから夕食がスタート。

サラダとパンはおかわり出来るくらいの量。

サラダマジでありがたい。

そしてメイン。

豆のカレー煮込み。

肉要素は無いがこれがまた美味しかった。

2回もおかわりしてしまった。

ほんとよくパンに合う。

もう少しスパイシーだとより良いが。

デザートはヨーグルト。

昨日と同じやつだったのでスイカ味をチョイス。

これがうまいんだよね。

目の前のポーランドの方は英語が喋れないのでイギリスの方とちょろっと話すが、なかなかエンジンがかからず今日はあまり喋れなかった。

ワインもあったがちょっとアルコール臭が強くて美味しく無かった。

瓶じゃ無くてお得用のポリタンクみたいなやつだった。

食後はドネーションタイム。

明日の誰かのために寄付をするのだが金額がよくわからない。

今回は周りの欧米人たちをチェックしてみると、だいたい1人10ユーロ札を入れてるのが見えた。

それを真似して2人で20ユーロ+αを入れておいた。

その直後Azuが階段から滑り落ちてしまった。

その際に腕を打ってしまったようで少し腫れてしまった。

その様子を見ていたイタリア人の男性がアイススプレーとマッサージジェルを貸してくれた。

めっちゃ優しい(;´∀`)

そして更にその後はミサ。

ピルグリム達は地下通路を通って先ほどの教会へ。

表の門は既に硬く閉ざされており我々だけが地下から入れる。

中は静まり返っていて我々のためだけのミサが始まった。

日本語訳の聖書?の一部を渡されるので、各国の言葉で朗読した。

金色の巨大な彫像が静かに佇んでいた。

こんな夜間に教会に入れるなんてこのアルベルゲに泊まった人だけだ。

Albergue Parroquial Santiago El Realはマジでおすすめです。

戻ったらもう22時前。

22時ちょうどに電気を消して夢の中へ。

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明日も頑張って歩くぞい。

それでは!



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名前:mosari
年齢:30代アラフォー
性別:男性

2023年4月2日から夫婦の夢だった世界一周の旅に出ました。

小学校の同級生夫婦のポンコツ世界一周旅で世界の絶景、地球の美しさ、多種多様な文化を見てきます。 現在は3ヶ月のフィリピンでの語学留学を終えて、世界を巡ってます。

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