【世界一周534日目】2024.10.14 スペイン
残り41.1km
Ozón→Santo Estevo de Lires
歩行距離24.4km
気温:17度〜22度
歩数:36,672歩
1ユーロ=163.36円
善意と寄付
いつも通り5時半に起きる。
ベッドが少し動くたびにめちゃくちゃ軋むので大きな音を立てながら起床(;´∀`)
速攻で荷物を共有スペースに移動させて朝食。
昨日食べた夕飯のチョリソーを挟んだサンドイッチ。
昨日は日曜日で食料が全然手に入らなかったが、最後に肉屋で肉とパンが手に入って本当に良かった。
電子レンジでチンして食べた。
なお、ここのオスピタレアはどうしても食料が手に入らなかった人のために寄付制の食料を置いてくれていた。
パスタにお米、菓子パンに豆やトマトペーストなど。
最悪トマトパスタくらいは作れるようになっていた。
これらは寄付制なので使ったらお金を入れていく。
寄付をしてくれたらこのサービスを続けることができる。
そう書いてある。
一緒に泊まっているフランス人グループは昨日からあまり印象が良くない。
僕らに対してだけならまだいいんだけど、彼女たちは昨日夕飯にここのトマトペーストを使っていた。
が、ドネーションボックスは空のままだった。
もちろん出発前に入れるつもりなら良いんだけど、善意に対してちゃんと寄付してくれる事を願ってやまない。
パッキングしたら今日も7時に出発!
気温は15度以上ありそうなので薄い長袖、Azuはいきなり半袖だ。
痛みのカミーノ
外に出るといつも通り真っ暗。
墓地の前はやはり怖い。
マジでゾンビ考えた人天才すぎる。
石造りの教会も雰囲気抜群だ。
泊まっていた街自体が山のど真ん中なので朝からずっと登ったり降ったりを繰り返す。
真っ暗な森の中はヘッドライトの灯りだけが頼り。
モホンを見つける度にホッとする。
空には星も出ていてオリオン座を正面に見据えながら歩くのは最高に旅だった。
また登りだよー!
Azuは登りが嫌い。
でも、これが最後かも知れないだろ?
そうなのだ。
もうおかわりカミーノも終わりに近づいている。
いつ山越えが終わってもおかしくない。
これが最後かも。
そう思えばなんだってできる。
中学生の頃めっちゃハマったゲームにファイナルファンタジー10というゲームがある。
それのオープニングでは長い旅の終わりの前日のシーンが描かれていた。
その時に流れる「ザナルカンドにて」というBGMがあるのだが、それはそれはとても切ない音楽。
当時はなんでこんな寂しい音楽なのだろうか?と、思ったものだが、旅の終わりが見えてくると寂しさを覚えるんだなと身を持って実感している。
僕の頭の中にはずっとその音楽が鳴り響いていた。
明日には大陸の果て「フィステーラ」に到着するのだ。
旅の終わりが、足を休める時が、立ち止まる時が、次に進む時が、すぐそこに迫っていた。
森を抜けてどこかの街に着いた。
振り返ると朝日が登ろうとしていた。
今日がまた始まろうとしていた。
明日からまた雨予報。
こうして朝日が見れるのも今日が最後かもしれない。
本当に何もかも今日が最後かもしれないのだ。
1日の始まりは美しい。
日本から遠く離れたスペインの田舎にも紫陽花が咲いている。
文化は違うけど、何かしら共通点はどんな国にでもあるのかもしれない。
寝坊助の我々は朝日を見ることは稀だ。
カミーノではたくさん見れてよかった。
言葉では表現できない美しさだった。
とても贅沢な時間だ。
と言ってももう8時40分なのだけどね。
スペインの太陽はのんびりさんなのだ。
途中で歩きやすい舗装路に出たらAzuが、
触れ合いターイム!
昨日に引き続き手を繋いできた。
最終局面になってAzuも色々と思うことがあるんだろうな。
幸せな時間だった。
森の中を進むと大きな倒木が道を塞いでいた。
木の枝の薄いところを潜って進んだ。
台風の爪痕はまだまだ至るところで見ることができる。
何度も登りと降りを繰り返していたが、段々と降り基調になっていった。
そしてついに、ついに見えた。
ずっとスペインの内陸部を東から西に進んでいた。
その先にあったのは当然アレ。
海である。
スペインを横断してヨーロッパ大陸の端までやって来たということだ。
これは流石にちょっとジーンとしてしまった。
ザザーッ!
久しぶりに聞いた波の音。
心地良い音を聞きながら岬を目指して歩いていく。
ついにムシア到着!
山の影から太陽も登って来た。
ご飯にする?それとも先に岬に行く?
お腹は減った。
でも岬にも行きたい。
よし、カフェでTO GO(持ち帰り)して岬で食べよう!
お、贅沢プラン!
決まりだ!
街の中でやっていたカフェで持ち帰りして岬へ向かう。
岬が思ったよりも遠くてコーヒーが冷めてしまわないように急いで歩く。
そしてついに岬にある灯台へやって来た。
そんな訳でようやく乾杯!
2人ともカフェ コン レチェだ。
Azuもコーヒーが飲めるようになってくれて僕は嬉しいよ。(出来れば南米で目覚めて欲しかった!)
トルティージャ(スペイン風オムレツ)のサンドイッチにパン オ ショコラだ。
パンはどちらも美味しかった。
特にガリシア州に入ってからオムレツがフレンチ(ジャガイモ抜き)になっていて毎日寂しかったのだが、ここはちゃんとスパニッシュで最高やった。
チョコの甘みにカフェ コン レチェが良く合う。
少し緩くなったコーヒーを飲み干したらとても満足した気持ちになった。
こうして毎日カフェに入り浸れるのも今日か明日で最後だと思うととても寂しいな。
ちなみに我々は日本にいた時はカフェになんてまず行かない。
休憩したくなったらその辺の自販機かコンビニで飲み物だけ買っていた。
我々は支出の最適化と呼んでいたがとにかく必要なもの(旅行など)に予算を投下し、それ以外の日々の日常ではできるだけものを買わないようにしていた。
そのおかげで毎年何回も海外に行けていたし、その時の貯金が今の旅費に繋がっているのだ。
食べ終わったら岬にある教会へ。
これは教会の向かいにある鐘。
教会はこんな風に海に向かって立っていた。
無料で中に入れたのでスタンプをもらいに行った。
海の教会かつ、カミーノと深い関わりがあるのだろう。
船の展示や、巡礼者やモホンなどが多く描かれていた。
ホタテにひょうたんなど。
奥にお土産屋さんがあってスタンプを貰った。
少しばかり寄付をして教会を後にした。
岬には特別なモホンがあった。
0kmモホンである。
ここがムシアルートの終点だ。
ここはちょっとした観光地にもなっていて、バスやツアーで来る人も多い。
だからこそ歩いてムシアに来た人の事をリスペクトしてくれている感じがした。
見た目はもうただの観光客なのだが、
ブエンカミーノ!
と、挨拶してくれることが何度かあった。
ちょっとだけすごい事をしている気がして気分が良かった。
今日はムシアには泊まらずこのままフィステーラへ向かう。
まずはインフォメーションセンターに行ってムシア到達証明書をゲット。
サンティアゴでは有料だが、ムシアは無料だった。
そんな訳でゲットです。
続いてはスーパーのエロスキで食料を購入。
もうグミとかしか持ってなかったので助かった。
これで安心してフィステーラに向かえるぞ。
街の出口ではモホンを発見。
距離は書いてないがフィステーラ行きと書いてあるのでモホンを探しながら歩けば大丈夫そうだ。
今日は少し雲が多いが太陽も出ている。
洗濯物もよく乾きそうだった。
そんな訳で昨日乾かななった靴下とズボンをぶら下げて歩く。
Azuも靴下。
旅人感がありますなー。
目指しているフィステーラも海の街なのでこのまま海岸線沿いを進むのかと思ったら全然そんな事無かった。
すぐに登りが始まって山越えをしないといけないようだった。
そんなに甘くないメェー!
ヒィヒィ言いながらしばらく山の中を歩いていると向かいから3人のおじさんが歩いて来た。
ブエンカミーノ!どこから来たんだい?韓国か?
映えある日本国からである。
うおー!マジか!
私たちサンジャンから歩いて来たんだよ!
マジかよ(ザワザワ)!
よし、写真撮ろうぜ!
めっちゃテンションの高いおじたち。
元気に歩いていて何よりだ。
ブエンカミーノ!
けっこう登りがキツかったんだけど、おじたちに元気をもらって復活。
登るぞー!やったるぞー!
登る、ひたすら登る。
うぅ、足のマメがまた痛いよ。
小指にできたマメが悪化してしまい歩く度に辛そうなAzu。
頑張れ…フィステーラまで残り20km。
今日は後7kmだ。
結局海からは遠く高くに見えていた風車と同じ高さまで登ることになった(;´∀`)
暑くて汗がとまらない。
10月でこれだもんな。
8月から始める人は9月だろうけどもっともっと暑いんだもんな。
天気は悪い日が増えるがフランス人の道は9月スタートがやっぱりいい気がする…
暑くて水を飲むけど残りが心許ない。
Azuはずっとコーラ、コーラ言っている。
1時間以上ひたすら登り続けてようやくピークが見えて来た。
これを抜けたらいったんは降りがあるはず。
大量に買った食べ物の重さを感じながらようやく登り切った。
Azuはマメが痛くて仕方ないし、僕の膝も限界が近づいているのを感じていた。
歩いていると後半はずっと痛いし、到着してからも痛いことが増えた。
後1日持ってくれよ…!
登りが終わると少しだけ降ったところに小さな街があった。
待望のカフェが営業してくれていた!
アレだけコーラ、コーラ言ってたのにAzuはファンタのレモン味にしていた。
マフィンも含めて5.3ユーロ(860円)。
マフィンは3切れで1.3ユーロと爆安だった。
多分普通は2切れなのに1枚おまけしてくれた気がする。
大汗をかいた身体に甘い炭酸が沁み渡る。
手作りのマフィンも美味しかった。
カフェではニュースが流れていたが、Azuが見覚えのある風景に気が付いた。
あれ?これサンティアゴじゃない?
確かにそれは数日前に見たサンティアゴの大聖堂だった。
すると店のおばちゃんは、
そうよ、サンティアゴよ。今日エストニアから4,000km走ってサンティアゴに到着した人がいたみたいよ。あ、もちろん自転車よ。
と、ニュースの内容を教えてくれた。
色んなカミーノがあるなと感心してしまった。
エストニアからなんてヨーロッパ横断じゃないか…
おばちゃんにお礼を言って再び歩き始める。
残りはもう6kmほどだ。
山の中をひたすら歩く。
降り基調に変わったから暑くは無くなったがAzuの小指の調子が相当悪くなっていた。
痛いよー、痛いよー。
頑張れ、後もう少しだ。
僕の膝も痛いがまだなんとか歩ける。
2人とも痛みを抱えた最終日前日になった。
Azuはかなりキツそうだが最後の最後で登りがあった。
痛みと辛さに耐えながら登っていた。
今でも靴が乾かなかった日々が悔やまれる。
濡れたままだと湿気でマメが出来やすいのだ。
そしてなんとか今日の目的であるSanto Estevo de Liresの街にあるAs Eiras Lires Hotelにやって来た。
今日は24.4kmの距離を休憩込みで8時間の旅路だった。
ムシアで観光というか休憩したりスーパー行ったり証明書もらったりと忙しかったからちょっと長め。
このホテルの脇にアルベルゲ用の部屋が用意されている。
値段は1人19€(3,080円)と過去最高値。
しかしムシアからフィステーラまでの間でお手頃なアルベルゲは無いのだ。(他は個室で50€とか)
結構酷いレビューが多くて心配だったけど、結果的には杞憂だった。
そんなに悪く無い。
ハエが鬼多かったことを除けば。
メセタ台地を思い出してしまった。
もうスペイン北部はハエの国という印象が強くなってしまったよ。
部屋は2段ベッドが5個の10人ドミ。
でも上段ベッドにも電源と物置きがあったのでグッド!
まずはシャワー。Azuはアツアツだったそうだが僕はもう一声暖かいと嬉しかった。(全然浴びれるレベルではある)
続いては洗濯。
外の手洗い場にはオケが無かったが、頑張って洗ったらそのまま外のロープに干した。
日が良く当たる場所だったので夜までにほとんどの衣類が乾いてくれた。
マジでありがたい!
明日から雨なのでこれがその日に乾く最後の日かもしれぬ。
洗濯が終わったらまだ17時だったが夕飯にした。
キッチンがあるとアプリには書いてあったがコンロがあるかどうかは行ってみないとわからない。
なので最低限お湯は沸かせると信じて夜はカプヌにした。
カプヌにサラダにリンゴにバナナ。
食後はお茶とビスケットを食べた。
サラダが売っているのが大型スーパーの良いところだ。
PB品で1.9ユーロ(310円)と安いのも良かった。
食後は共有スペースでハエと格闘しながらブログを書いたりInstagramの時間。
連日25km以上歩いているので流石に早めにベッドへ…
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ブログでは伝えきれない動画などもあるので合わせてぜひ。
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明日は最終目的地フィステーラについに到着するはず。
長い旅路も本当に終わりが見えて来ました。
最後にもう少しだけお付き合いくださいませ。
それでは!