カミーノ36日目 1番会いたくないアイツに出会ってしまった スペイン【世界一周527日目】

【世界一周527日目】2024.10.7 スペイン

残り92.0km

Portomarín→Palas de Rei

歩行距離24.8km

気温:12度〜16度

歩数:37,056歩

1ユーロ=1632.69円

mosari
靴が浸水すると歩くのが途端にハードになります(;´∀`)

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静かな夜

夜中に一度目が覚めたがあまりに静かで驚いた。

この部屋には14人ほど泊まっているはずだが驚くべき静けさだ。

理由はまぁ、僕以外全員女性だからだろう。

もちろん女性でもイビキがすごい人はいるだろうけれど確率はグッと下がる。

そういえば昨日も部屋で男性は僕だけだった。

そしてやっぱり静かだった。

すぐに眠りについて朝誰かのタイマー音で目が覚めた。

時計を見ると4時50分。

随分と早起きだ。

5時半になったら起き上がって顔を洗い、朝食。

まぁいつものやつです。はい。

Portomarínのアルベルゲでは水が飲めないと言われたのでメルカドで買って来た水を電子レンジで沸かしている。

食べ終わって部屋に戻ると多くの人がパッキングをしていた。

まだ寝ている人が2人だけいたが皆お構いなしにガサゴソしてたので我々もガサゴソ。

そのうち2人も起きて来たので誰かが電気を付けてくれた。

パッキングして7時にアルベルゲを出発だ。

さぁ、今日は雨予報だがどうなるかな。

静寂を求めて

アルベルゲを出てすぐに街の中心にある教会の前を通る。

10月だというのにクリスマスみたいにライトアップされていた。

広場の角を曲がると街のメインストリートだ。

いつもとは違って街にはもう人の気配があった。

Portomarínの街はそんなに大きい訳では無いのになんだか不思議だった。

郊外に出ると歩いているのは我々ピルグリムだけになった。

が、街から点々とヘッドライトの灯りが見える。

そしてそれは我々の前にも続いていた。

これまでと異なりサリア出発組の人々が多く歩いているのだろう。

朝日が昇るまでの贅沢な時間はここには無かった。

道標であるモホンを頼りに歩いていると分岐点に差し掛かった。

どうやら平坦で整備された左の新道と、小さな山を突っ切る右の未舗装路に別れているようだ。

多くのピルグリム達は左に進んでいる。

mosariどうする?

もちろん右だ!

賑やかな雰囲気から飛び出したくて大変な方の道を選んだ。

すぐに未舗装路となり、登りが始まった。

ハァハァ言いながら山を登る。

周りに見えるヘッドライトは1つだけ。

いつもの静寂が訪れた。

森を抜けると原っぱみたいな場所に出た。

そこでは輝く夜空が出迎えてくれた。

オリオン座がはっきりと見えた。

僕ら2人と、もう1人のスペインピルグリムの3人で少しの間星を見上げていて、鳥の囀りと3人の息を吐く音だけが聞こえた。

再び歩いてしばらくすると合流地点に到達した。

一生懸命歩いたので周りのピルグリム達は少なくなっていた。

大部分を追い越したのだろう。

随分と太陽が昇るのが遅くなった気がする。

メセタ台地を歩いている時は7時40分頃から明るくなっていたはずだが、今は8時30分くらいまで明るくならない。

山が遮っているってのもあるのだろうが、長い間暗闇の中をズンズンと進んでいった。

明るくなった後、9時頃にどこかの街に到着した。

サリア以降は街が多すぎるし、街の名前の看板も無い所が増えたため、居場所がわからないことがチラホラ出てくるようになった。

いつの間にか空には今にも降り出しそうな雨雲がかかっている。

時間的には歩き始めて2時間ほど経つので休憩しても良かったが、雨が降ってないうちに少しでも距離を稼ぐことにした。

街を出て坂を登っていると前の方に影がグングンと伸びてくる。

振り返ると太陽が雲の合間から姿を現していた。

今日の夜明けだ。

でもすぐに太陽は隠れてしまい、どんよりとした景色に変わってしまった。

いつ降ってもおかしく無い感じだったが、ついに降り出した。

幸いそこまで強くは無かったのでそのままの格好で歩いたが、次の街のカフェで休憩をすることにした。

今日のトルティージャ。

サイズがいつもの倍くらいあるし、具がジャガイモだけでなくニンジンや玉ねぎのようなものも入っていて美味しかった。

4ユーロ(650円)。

飲み物を足して7ユーロ(1,120円)。

休憩しているとドンドン寒くなってきた。

雨はいつの間にか土砂降りになり、多くのピルグリム達が駆け足でカフェにやって来た。

我々もレインジャケットの上下を着て、さらにポンチョを被ってフル装備。

弱くなったタイミングでカフェを飛び出した。

このまま弱くなってくれ!

そう願ったが雨はザァザァと激しさを増していった。

こうなるとフードをしっかりと被らないとならない。

気温が低いし風もあるので頭を濡らしたら風邪を引いてしまうだろう。

そのためフードを被るが視界は目の前しか見えなくなるし、歩く度にガサゴソと擦れる音がなるので耳も良く聞こえなくなる。

Azuーー!!

え?なーにーーー??

後ろからくーーるーーま!!

会話もままならないし、ひたすら足元しか見えない。

とにかく辛い時間が続いた。

黙々と黙ってうつむきながら歩く。

人を抜く時はいつだって「オラ!ブエンカミーノ!」と挨拶して来たが今はそれすらする気にならない。

こういう時だからこそ笑顔で挨拶出来るカッコいい大人になりたいと思いながら、そうは出来なかった。

ただただ、下を向いて黙々と歩いた。

そして、恐れていたその時がやって来た。

あーーー!指先が冷たいー!!

Azuが叫んだ。

どうやら足の甲から浸水が始まってしまったようだ。

足が濡れると途端に不快度が増すし、指先が濡れたらマメが出来るリスクが大幅に上がる。

まだ雨の中歩き出して1時間も経っていない、ここから今日の目的地までまだ2時間以上は歩かないといけない。

今日はタフな移動になりそうだった。

そしてそれは僕も同様だった。

程なくして指先に冷たい感触が広がっていった。

き、気持ち悪い(;´∀`)

とにかく足元が不快。

こうなると嫌なことばかり考えてしまう。

あー、ポンチョ乾かすの面倒だなぁ。

靴乾かなかったら明日も朝から不快だよなぁ。

っていうか洗濯物乾くかなぁ。

このまま降り続いたら商店に買い物寄るのすら億劫だなぁー。

なんてネガティブなことばかり考えてしまう。

激しい雨の中、つまらないことを考えながら歩いた。

雨の中歩き続けて1時間ちょっと経ったころ、幸い雨は弱まってくれた。

そしてあっという間に青空が見えるようになった。

切り替わり早すぎ(;´∀`)

雨が残した水玉が光を反射し、美しい雨上がりの道を歩く。

靴の中が不快だが、モヤモヤと出ていたネガティブな考えもピタッと止まった。

太陽も出て来たので「オラ!ブエンカミーノ!」と、元気に笑顔で挨拶しながら先に進んだ。

太陽が出ると暑くなったので半袖になって歩き続けた。

カフェを出て2時間ほど経っていたのでカフェでトイレだけ借りることにした。

昼飯を食べても良かったが、また降り出しても困る。

晴れてるうちにゴールしたくて休憩はとらずに出発。

いつもはトイレを借りるついでに何か飲み物を頼んでいたが、今日は初めてトイレだけ借りてしまった。

やっぱりさっきのバーで何か頼めば良かったね。

Azuはそのことをだいぶ気にしているようだった。

もちろんトイレを借りるなら何か頼んだ方が良いだろう。

でもトイレだけ借りて出ていくピルグリム達もよく見かける。

頼んだ方がお互い気持ちが良い、だからこそ我々は毎回何かしら頼んでいたが、今日は先に急ぎたくてトイレだけ借りてしまった。

今後も出来る限り気をつけようと思う。

バーが無くなったら困るのは我々ピルグリムだからね。

もう一度でも雨に降られたくなくてドンドン進む我々。

木漏れ日の美しい道を抜けると、今日の目的地であるPalas de Reiの街の入口が見えて来た。

ここから市内まで1kmほど歩くことになりぬか喜びさせられた。

看板手前スギィ!

市内の中心部には大きめのアルベルゲが数軒あったが予約の時点で軒並み断られてしまったので街の外れにあるアルベルゲへ。

Albergue Zendoira。

1人15ユーロ(2,430円)。

カード可。

いつもの不織布の簡易シーツを受け取って指定されたベッドへ向かう。

まるでカプセルホテルのようなベッドがお出迎え。

カーテン付きとか30日ぶりだ(;´∀`)嬉しい

カーテンがあるだけでプライバシー感がグッと高まる。

全てのドミトリーで採用して欲しいものだ。

とりあえずテラスにポンチョを干してシャワー。

あんまり嬉しそうじゃ無いAzuの顔を察して浴びるとやはりぬるめ。

寒くは無いが温まらない。

雨に濡れた日は温かいシャワーが浴びたいのに。

続いては洗濯。

地下にある洗濯場に行く。

部屋に入るとモワッとした熱気と悪臭が鼻をついた。

ここは靴置き場にもなっているのだが濡れた靴が大量に置かれているのですごい臭かった。

このままここに置いておいても乾かないだろう。

靴をテラスに移動して乾かそうとしたらオスピタレアにダメと言われた。

なら乾かすのに新聞紙が欲しいと聞いてみたがそれもダメだった。

このままでは100%乾かないので必殺技。

靴のドライヤーである。

下駄箱の片隅に設置されており、0.4ユーロ(65円)で10分間使えるようになっていた。

使ってみると弱々しい温風がノズルから出て来たので靴に突っ込む。

10分じゃ変わらないんじゃ無いかと心配したがそこそこいい感じになってくれた。

これなら明日充分に履けそうだ。

1番心配していた靴の問題が解決して一安心。

と、言っても明日は朝からまた雨予報なのですぐにまた濡れてしまうかもしれないのだが…

洗濯も終えて洗濯物はテラスに干したのだが10分も経たずに雨が降って来てしまった。

昨日もこのパターンだったな…

仕方ないので部屋干しに切り替えた。

ほんと雨だと歩きにくいし、洗濯は乾かないしで途端にハードモードだ。

そしてマメだ。

僕は大丈夫だったがAzuの右足にマメが出来ていた。

歩いてる時は気づかなかったそうだが、明日も雨で濡れたら悪化する可能性が高い。

ほんと雨は難しい。

連日とかほんと勘弁なのであるーー!

到着後のタスクが済んだらようやく昼食。

持っていたサンドイッチを食べた。

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快適な夜

その後は近くのDIAというスーパーへ。

ガリシア州に入ったらキッチン無くなるって聞いてたけど普通にあるんよな…多分無くなるのは公営のアルベルゲ(ムニシパル)だけで私営は普通にあるっぽい。

が、DIAに行くとサンドイッチに使えそうなバゲットは全て売り切れ、お気に入りのサラダも全て売り切れ、バナナもラストをギリギリ購入。

ピルグリムが欲しがりそうなものが全然売ってなかったのである。

今までそんなこと無かったのにこれもサリア以降は人が増えている証拠なのだろうか?

仕方無いので作戦変更していくつか食材を買って帰った。

そんな訳で夕食。

パプリカと玉ねぎのパスタ。

1ユーロで買ったチョリソー入りなのでシンプルな味付けながらとても美味しかった。

やはり肉の旨味があると違いますな。

いや、Azuシェフのおかげか。

いつもありがとうございます。

事件は夜21時に起きた

その後は部屋に戻ってまったりタイムだ。

なんといってもカーテン付きですからね。

Azuと同じベッドの上に座ってカーテンを閉めればプライベート空間の出来上がり。

2人でコソコソ話したり、ブログやら書いていて21時過ぎ。

そろそろAzuが眠そうなのでトイレに行って自分のベッドに戻ろうとしたその時、

ねぇ、、これって…?

Azuがベッドの上に何かあるのに気がついた。

何かと思って見てみると…

うおおお、ベッドバグ(トコジラミ)やん!!

な、なんで?

不織布シーツをかける前にマットレスの上にいないかチェックしてたのに…!

って言うかマズいぞ。

どどど、どうしよう。

とりあえず写真を撮ってからトイレットペーパーでキャッチして潰した。

血が滲んできた。

いや、もう噛まれとるやん。

とりあえず2人ともまだ痒みは無いけど、この量なら吸ったばかりと思われる。

明日どちらか痒みが出てしまうのだろうか…

って言うかどうしたらいいのこれ?

このまま寝たら複数匹いたらアウトやん。

証拠のベッドバグを包んだペーパーを持ってレセプションへ行ってベッドを変えられないか相談してみることにした。

1階に降りるとレセプションは無人。

えぇ、そうですよね。

こんな時間までレセプション開いてませんよね。

ホテルじゃ無いですもんね。

仕方無いので併設されたバーの店員さんに相談。

ベッドバグを見つけました。

そうスペイン語で翻訳した画面を見せると、「ハッ!」とした表情を浮かべてどこかに電話してくれた。電話が終わると英語が喋れる別の店員さんを連れて来てくれた。

ベッドバグはどうしたの?

ここにあります。(ほれ。)

わーお、わかったわ。申し訳ないけど今日は満員でベッドは変えられないの。そのまま寝るか別のアルベルゲに移動するか選んでちょうだい、他のアルベルゲに移動するなら車で送るわ。

スーパー面倒だがこのまま寝る選択肢は無い。

他のアルベルゲに移動出来るならするしか無い。

でもmosari待って。空いてるかどうかわからないのに着いていって大丈夫かな?

そう言ってAzuは事前に電話で確認してもらうようにお願いした。

バーのスタッフは電話してくれたがこの時間なので電話が繋がる事はなかった。

それでもなんとか他のとこにかけてもらって繋がったアルベルゲがあった。

とりあえず2ベッドあるらしい。

今から移動なんてしたくないが仕方無い。

その前に寝袋にベッドバグが付いていないか明るい場所でチェック。

バーでチェックしてたら「ここは食事してる人もいるから…」と止められたが緊急事態なものでごめんよ。

寝袋は多分大丈夫。

部屋に戻ってパッキングをしたら1階に戻ってスタッフの車で別のアルベルゲに移動。

ちなみにカードで支払った30ユーロは現金で返金してもらった。

やって来たのはAlbergue Restaurante Castroというアルベルゲ。

1人14ユーロ(2,270円)。カード可。

チェックインして部屋に通してもらう。

部屋はすでに暗く寝ているのかと思ったらも抜けのからのベッドの方が多かった。

しかも他のベッドはカーテン付きなのに我々のベッドだけカーテンの無い外れベッドだった…

カーテン付きで寝たかったな…

それにしてももう22時前なのに他のピルグリムがいない。

飲みにいってるんだろうけどこの時間になっても帰ってこないとは。

ガタン!

ドアが開いて1人帰ってきた。

周りを気にせず電気を付けて着替えをバックパックから取り出すとシャワーを浴び始めた。

出ていく時もドアは開けっぱなし。

なんだか色々とすごいね…

Azuドン引き。

これもサリアを越えてからの変化のひとつなんだろうか…はぁ。

ガターーーン!!

突然の大きな音。

隣のベッドの梯子が外れて落ちて来た。

もうなんなんだよこれw

その後も断続的に帰って来たがまぁうるさい。

嫌な夜だった。

明日も5時半起きなんですけどーーー!

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明日も雨予報。

頑張れ自分、頑張れAzu!

って言うかベッドバグの影響ありませんように!!

それでは!



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2 件のコメント

  • 初めまして!最新に追いついたらコメントしてみようと思いこの1ヶ月夢中で読ませていただきました。
    mosariさんと同年代かつ同じように1つの職場で長く勤め海外に目覚めたのもおそらく同じくらいの時期で勝手に親近感が湧いていて、自分だったらこの時どうするんだろう?と考えながら楽しく読んでいます。
    旅人が深夜特急に憧れたようにお二人の旅に影響された人もきっといるんじゃないかなと思います。自分もその一人で、来年から語学学校に通う事を決めて現在は会社と調整中です。
    お二人のこれからの人生の旅の健康と安全を願っています。

    • メリー様

      お返事遅くなり申し訳ございません!
      コメントありがとうございます!

      おおお、語学学校に行かれるんですね!
      会社員を辞めるのはとても勇気が必要な事でしたが、それ以上にたくさんの貴重な経験を日々得ています。

      メリーさんの人生が良きものになるように願っています。

      我々も引き続き楽しみますので、お互い悔いのないように精一杯生きましょう!

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    名前:mosari
    年齢:30代アラフォー
    性別:男性

    2023年4月2日から夫婦の夢だった世界一周の旅に出ました。

    小学校の同級生夫婦のポンコツ世界一周旅で世界の絶景、地球の美しさ、多種多様な文化を見てきます。 現在は3ヶ月のフィリピンでの語学留学を終えて、世界を巡ってます。

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