カミーノ2日目 雨の中のピレネー山脈越え フランス〜スペイン【世界一周493日目】

【世界一周493日目】2024.9.3 フランス Orisson→ Roncesvalles

残り758km

気温:11度〜14度

歩数:24,244歩

1ユーロ=160.54円

mosari
2日目から早速雨、これもカミーノ!

出遅れる我々

昨日は早めに寝ようと思ったがなんだか目が冴えてしまっていて2人とも思ったように寝付けなかった。

昼寝はあまり良く無いのだろうか。

でも寝た後は朝までぐっすりだ。

6時に誰かのアラームで目が覚めた。

朝食は7時からなのでそんなに早く起きる必要も無い。

6時半過ぎに起きて顔を洗って朝食を食べに行く時に気づいた。

…皆のベッドが空っぽな事に。

そう、他のピルグリムたちは朝食を食べたらそのまま出発できるように準備していたのだ。

我々は戻って来てからパッキングだ(;´∀`)

朝食会場に行くと世話役であるオスピタレロのミゲルが朝食の準備をしていた。

やぁ、よく寝れたかい?

もちろん。めっちゃ快適なベッドだったよ。

ピューイ♪ワンダフル!

口笛を吹いてワンダフル!

ミゲルの口癖だ。

めっちゃ陽気でどうしたらこんなに素敵な笑顔で仕事が出来るのか不思議でたまらなかった。

この仕事を誇りにして、楽しんでいるんだろうな。

朝食はシリアルにヨーグルトにパン。

飲み物はオレンジジュースにコーヒー、紅茶なんかがあった。

朝食料金は宿代に含まれている。

夕食のように一斉に食べるのでは無く朝食は来た人から食べてみたいだ。

普段あまり食べないがこれから歩くことを考えるとパンもシリアルもおかわりして食べた。

食後は昨日頼んでおいたランチを受け取る。

ハムとチーズのサンドイッチがメインで、バナナかりんご、スナックか飲み物が選べた。

我々はバナナとりんご1個ずつにスナック(スニッカーズとドライフルーツ)にした。

ありがとうミゲル。出発するよ。

ピューイ♪ブエン!カミーノ!

私あなたのキャラクター好きよ。ありがとう。

Azuはミゲルの事をめちゃくちゃ気に入っていた。もちろん僕も。

そんなAzuの台詞を聞いて周りの人たちも笑顔で頷いていた。

いい宿とオスピタレロだった。

初日は無理したく無い人はOrissonのAuberge Bordaに泊まるのおすすめです。

高齢の人が多いので落ち着いた初日を迎える事が出来るだろう。

大人気なので予約必須。

雨雨雨!

朝食後に誰もいなくなった部屋に戻って荷物をまとめる。

そして1階のストレージルームでパッキング。

8時15分に出発だ!

雨が降っていて霧も出ている。

ピレネー山脈に広がる絶景が見れるはずだが全く見えない。

我々はスタート地点であるサンジャン ピエ ド ポーから約8km地点で1泊している。

まだ8時過ぎなのにそのサンジャンからのスタート組がすでに多く歩いていて驚いた。

みんなもうここまで歩いているのか…

今日は17km先のRoncesvallesまで歩きたい。

余裕があればその先も考えるが雨の中難しい気もする。

なだらかな登りが続く。

今日はピレネー山脈を越えてスペインに入国する。

雨の音に紛れて、

カランコロン

霧の向こうからカウベルの音が聞こえてきた。

大量の羊だった。

近くには羊飼いのおじさんがいた。

雨の中でも元気に走り回る犬。

上手に羊を誘導していた。

雨の中でも毎日こうやって羊を追いかけてるおじさん。

ボンジュール!

厳しい眼差しとは裏腹に明るい挨拶。

フランス人ってのは陽気な人が多いのかな。

パリにいる人はツンツンしたイメージがあったんだけどな。

雨の中歩いていく。

景色は見れない。

多分絶景。

でも大丈夫。

あの「ピレネー山脈を歩いて超えようとしている」我々。

どうしようもなく楽しい事をしている気がしてワクワクが雨の鬱蒼とした雰囲気を吹き飛ばしていた。

ずっと雨なら寂しいけれど、昨日美しいフランスの田舎を見ていたから、今日は雨でもこのどこか幻想的な世界を楽しめる。

マチュピチュやウユニ塩湖でも思ったけど、どうやら僕は雨や霧がかった幻想的な世界が好きなようだ。

ピレネー山脈には石が積まれたこのようなモニュメントが幾つもある。

どうやらこれはカミーノ中にここで亡くなってしまった人たちの慰霊碑らしい。

熱中症だったり嵐に巻き込まれたりと理由は色々あるのだろうが悲しい限りだ。

歩き始めて80分ほどでフードトラックが見えた。

ここではコーヒーやバナナ、キャロットケーキなどが買えるようだった。

まだまだ元気だったし昼食も持っている、何か飲んでもトイレがなぁと思い何も買わず。

フードトラックに置かれたボード。

ここから後1km上り、5kmの平坦、そして5km下ったら今日目指しているRoncesvallesがあるそうだ。

雨も相変わらず降り続いていて歩き始めた時よりも強まっている。

ポンチョを着るか迷ったが上りが続いていて暑い。

もう少し強くなるまではこのまま行く事にした。

山頂付近にはやはり亡くなった方の慰霊碑が。

我々もそうならないように気をつけて進まねば。

ここは左に舗装路が続いているが、この慰霊碑の間の未舗装路を進むのが正解らしい。

初日にサンジャンの巡礼事務所でもらったルート表を見ると間違えやすいから目立つように写真付きで書かれていた。

正しい道を示すサインを見落とさないように気をつけて進む。

馬もたくさんいた。

恐らくそろそろ上りが終わるはず。

山頂まで行ってしまうと風が強い可能性がある。

少し谷のようになっていて風が無さそうな場所で休憩する事にした。

歩き始めて100分ほど経過していた。

ベンチなど気の利いたものは無いのでバックパックを石の上に下ろして立ったまま休憩した。

休憩のお供はイギリスで買っておいたハリボー。

重いからどうかと思ったがAzuがハリボーがあれば頑張るというので買ったやつ。

実は全部で3袋ある。

重いからどんどん食べようね。

しばらく歩いているとゴールであるサンティアゴ デ コンポステーラまで765kmを示す石板があった。

始まったばかりではあるが先はまだまだ長いな…

なんて馬鹿げた事をやってるんだろうか。

まともじゃ無い。

それでも僕らは歩く事にした。

僕らの旅はエレメンタルジャーニー(原始的な旅)だ。

公共交通機関に頼らず、雨の日もそれを受け入れてただ歩き続けるのだ。

気力は十分だ。

雨の中だってのに元気いっぱい。

こんな馬鹿げた事ができる環境にも感謝せねばばならないし、それを選んだ自分も褒めてあげたい。

そして何より一緒に歩いてくれるAzuに感謝だ。

昨日「君は妻と一緒に歩けてラッキーだな。」と、言われた事を思い出した。

途中フラットな道が続き上りが終わったと気づく。

本当はめちゃくちゃ絶景が広がってるんだろうけど相変わらず何も見えない。

しばらく歩いたところで水道があった。

雨のせいでほとんど喉は乾いていないが多少減っていた分を補充した。

水道のすぐそばに小さな橋があった。

どうやらこれがフランスとスペインの国境らしい。

Azuが「この橋と一緒に写真を撮ろう」と言ってきたがこの橋自体にあまり興味がなかったので「早く先に行こう。」と答えたらAzuは1人で先に国境を超えてしまった。

僕が「一緒に国境を超えたかったのに。」そう言うとAzuは「さっさと行こうって言われたから。」と言った。

素直に一緒に写真を撮っていたらこんな事にはならなかったかもしれない。

雨が降っていたから早く先に進みたかったのだろうか?

とにかく撮りたい気分にならなかったのだ。

でも一緒に歩いては超えたかった。

ちょっとしたすれ違い。

こんな些細な事でも言い争いが勃発する。

一通りお互いの言い分の後に「ごめんね。」と謝ったらAzuからとんでもない言葉が返ってきたので僕も本格的に怒ってしまった。

なんでこうなってしまったのかと思いながら雨の中歩く。

さっきまで楽しく歩いてたんだけどな。

スペインに入るとホタテ貝をモチーフにした青色の案内標識が増えた。(フランス内は赤と白のマーク)

先をスタスタ歩くAzu。

無言で歩くがいよいよ雨が強くなってきた。

このままではよく無いのでとりあえずポンチョを着ることにした。

ポンチョを着て再び歩き出す。

少し歩いたところでAzuが先ほどの暴言を謝ってきたので無事に終戦することとなった。

森の中が続いていたが開けた場所に何かのモニュメントがあった。

ちょうどここで後ろから同じ宿に泊まっていたマダムに追いつかれた。

あなた達の黄色のポンチョがとっても可愛いのよ!

そう言って写真を撮ってくれた。

確かに可愛い。

同じ黄色にして正解だ。(Azuは違う色にして欲しそうだったが)

ここからは本格的に下り差し掛かった。

晴れてたら景色も良いし道端に咲く花も可愛いだろうに、今はただ進むのみ。

でもそれだけでは寂しいので一緒に写真を撮る事にした。

水滴でほとんど前が見えないのであった…。

大変だけど振り返れば良い思い出になるはずだ。

この時点で歩き始めて4時間以上経っていた。

目的地も後2kmほどだったが休憩がてら昼食を食べても良い気がする。

Azu、後2kmくらいで着くけどもう少しで教会があるっぽいから昼飯食べるかい?

んー、2kmだったらそのまま歩いても良い気がする。

でも疲れてるでしょ?

確かに後もう少しではあるのだが一度休憩する事にした。

ここまでほとんど抜かれて無いので今日の宿に泊まれないという事は無いだろう。

少し歩くとその教会が見えた。

霧に包まれてなんとも雰囲気があった。

ここだ!最高の教会だ!

残念ながら鍵がかかってて中には入れなかったが軒下に座って昼食タイム。

4時間以上歩いて始めて座ることができた。

雨の日は座れない事が大問題だな。

昼食はミゲルに作ってもらった生ハムとチーズのサンドイッチにバナナとりんご。

疲れたAzu

いっただっきまーーーす!

サンドイッチは生ハムとチーズを挟んだシンプルなもの。

だがハムもチーズも美味しい。

何より霧の中閉じられた教会の軒下に座って飯を食べるというシチュエーションが最高過ぎた。

ヘイ!写真を撮っても良いか?

1人のおじさんが教会の柵の外から声をかけてきた。

もちろんだという意味を込めて手を挙げると近づいて来て写真を撮られた。

いや、写真を撮りたくなる気持ちもわかるよ。

あまりに絵になる光景だったろう。

僕らが日本から来てサンティアゴを目指していると言うととても驚いていた。

頑張るよ。

サンドイッチを食べていると次から次へとピルグリム達が通り過ぎて行った。

あまりに数が多くて宿が満員にならないか急に不安になった。

バナナとりんごはお預けにして先を急ぐ事にした。

Roncesvallesを示す看板。

何も無いが信じて進む。

森の中を歩いていく。

ゴールはもう目の前だ。

サンドイッチを食べて元気になったAzu。

足取りも軽そうだ。

そしてとうとう辿り着いた。

今日の目的地であるRoncesvallesのアルベルゲだ。

13時40分。

歩き始めてから5時間25分だった。

距離は17kmほどの山道。

しかも雨。

うん、頑張った。

元気なら2km先の次の街に行こうかなんて話もしていたがAzuの股関節に痛みも出ていたので無理はしない事にした。

このアルベルゲはかなり大きく183ベッドもある。

我々は50番目くらいだったみたい。(我々は2日目だが多くの人は1日目にここまで来ている)

受付でクレデンシャル(巡礼手帳)とパスポートを渡してお金を支払った。

  • 宿:10ユーロ(1,620円)
  • 夕食:13ユーロ(2,106円)
  • 朝食:6ユーロ(972円)

合計で1人29ユーロ(4,698円)。

昨日は1人45ユーロだったのでだいぶ安い。

ストレージルームに靴を置いてサンダルに履き替える。

写真は後で撮影

そして指定された部屋に通されて唖然とした。

サイトで見ていた部屋はこれ。

壁で仕切られていてベッドサイドに電源もあるかなり良さそうだ。

んで、我々のベッド。

いや、全然違うやんw

しかも1番手前の通路側。

人の往来もあるしベッドの左右に壁がどちらも無い。

ベッド幅は140cmほどのめちゃ狭。

寝ている時に寝返り打ったら落ちそうで怖すぎる。

地下室の部屋には電源も無かった。

あまりに違くてびっくりというか落ち込む。

が!

とりあえずシャワーを浴びようと2階に向かったらちゃんとサイトに掲載されてる通りのベッドが並んでいた。

当たり外れデカ過ぎません?

悲しくなりながらシャワーを浴びて洗濯をした。

シャワーは熱々で無制限。

洗濯機と乾燥機は有料なので我々は今日は手洗いした。

手洗いは無料だ。

そのまま干させてもらった。

んでその後ダイニングルームでAzuがお会計を入力してる時に気がついた。

この宿は14ユーロのはずだが我々は10ユーロしか払っていない。

つまり4ユーロ安い安部屋だったのだ。

同じ値段なら悲しいが、安いのなら仕方が無い。

いや、それにしてもベッドの脇に壁がないのは怖いけど。

近くにスーパーがあるか聞いてみたら無いと言われたので夕食と朝食をお願いしている。

夕飯は19時からと20時30分からが選べたので当然19時から。

でも後から来た人は20時30分からでは遅すぎると断っている人もいた。

そういう意味では早く到着出来て良かった。

今日は昼寝もせずに明日目指す街のアルベルゲなどを調べたりブログやInstagramタイム。

昨日一緒だったメンバーも続々とやって来たので軽く挨拶。

持っていたコーヒーを入れておやつ。

スニッカーズはミゲルにお願いした昼食でもらったやつ。

疲れた身体に甘いチョコなものでめっちゃ満たされる…

17時前に受付の前を通ったら既に満員(FULL)になっていた。

これより後に到着した人は次の街まで3km弱歩かないといけない。

次の街も空いてる保証は無いが…

これがカミーノの難しいところだ。

そしてあっという間に19時に。

歩いて3分のレストランへ。

チケットを渡すとテーブルに案内された。

1人隠れてしまっているが7人で一緒に食べた。

昨日のように自己紹介なんかは無いので名前だけ伝えて夕食がスタート。

前菜はかぼちゃのスープとパン。

そしてパスタ。(写真が暗い…)

メインは鳥か、

魚が選べたのでAzuと僕で別々のものを頼んだ。

全体的にあっさりとした味付けだが暖かい料理が食べられるだけで嬉しい。

量が少なそうに見えるが前菜は大皿かはシェアするスタイルだったので3回ずつくらいおかわりしている。

昨日もそうだったがあまり食べない人も多くかなりたくさん食べれた。

そして昨日に引き続き無料の赤ワインを飲んだ。

我々は向かいに座っていたイタリア人ペアと楽しく食事を楽しむ。

イタリアと言えばパスタだ。

このパスタはどうか聞こうと思っていたら向こうから、

このパスタはイマイチだな。

と言っていたw

意外にも彼らはあまり英語が得意で無いようで、英語が苦手な者同士シンプルな会話でコミュニケーションをとる。

難しい単語や表現が出てこないから我々としては非常に助かるのであった。

イタリア語とスペイン語はちょっと似ているね。

そうAzuが伝えると、「南イタリアはかつてスペインに統治されていたからね。

そう教えてくれた。

デザートはバニラとチョコのアイスクリームだった。

今日も赤ワインをたくさん飲んでしまった。

少しフラフラになりながら宿に戻る。

マジでカミーノ終わる頃には赤ワインが飲めるようになってる気がしてならない。

小さなRoncesvallesの街。

昔からカミーノのための宿場町として存在しているのだろうな。

アルベルゲは22時に消灯だ。

帰って来てから少しだけダイニングルームでブログを書いた。

最後に一緒に夕飯を食べたイタリア人ペアがお休みを言いに来てくれた。

こうして同じカミーノ仲間と認めてくれて挨拶してくれるってのはすごく嬉しい事だ。

22時に暖かい気持ちでベッドへ。

無事に2日目も終了だ。

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明日も雨模様(;´∀`)

そして20km以上歩く予定。

大丈夫かな。

それでは!



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名前:mosari
年齢:30代アラフォー
性別:男性

2023年4月2日から夫婦の夢だった世界一周の旅に出ました。

小学校の同級生夫婦のポンコツ世界一周旅で世界の絶景、地球の美しさ、多種多様な文化を見てきます。 現在は3ヶ月のフィリピンでの語学留学を終えて、世界を巡ってます。

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