カミーノ1日目 長い旅路の始まりとピレネー山 フランス【世界一周492日目】

【世界一周492日目】2024.9.2 フランス Saint-Jean-Pied-de-Port → Orisson

気温:17度〜26度

歩数:14,450歩

1ユーロ=162.64円

mosari
ついに我々のカミーノが始まった。ブエン!カミーノ!

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始まりの朝はイビキと共に

グオオオオ!ズゴオオオオ!

とんでもないイビキの音で目が覚めた。

水を飲みつつ顔を洗ってリフレッシュした。

再び寝ようとしてもなかなか眠れない。

イビキがうるさすぎる。

ふと時計を見ると2時40分。

朝までまだまだ時間があった。

グオオオオ!ズゴオオオオ!

周りのベッドからも寝返りを何度も打つ音が聞こえてくる。

僕と同じく眠れない人がいるのだろう。

イビキがうるさい人専用の部屋があればいいのになんてアホな事を考えていると、

バタン!

ドアが開く音が聞こえて来た。

1回では無く断続的に何度か。

そうか、朝が来てしまったのか。

結局あれからほぼ寝れないまま5時を迎えたようだ。

朝早いピルグリム達が目覚め始めたようだ。

このイビキのおじさんも早く起きて欲しいと思ったが我々が起きる時間になってもまだ寝ていた。

始まりの朝はイビキ共に迎えた。

6時半に2段ベッドから降りてAzuに挨拶。

どこでも寝れるAzuでさえ何度かあの音で起きてしまったらしい。

顔を洗ったら朝食。

宿泊している「Le Chemin vers l’Etoile」は8ユーロ(1,280円)で朝食を付けられる。

が、シリアルにヨーグルトにパンしか無さそうで中々にお高め。

我々は買って来たものを食べる事にした。

パンに生ハムとサラミにチョリソーの詰め合わせ。

そしてチーズにバナナだ。

パンの上にチーズと生ハム、もしくはサラミとチョリソを乗せて食べた。

このパンは値引きされてるものを買ったがレシートを見たら値引き前の金額になっていた訳ありのパン。

だが種が沢山入っていてめちゃくちゃ美味しいパンだった。

生ハムも期待通りの美味しさ。

ヨーロッパで食べる生ハムはほんと美味しいよなぁ。

だがそれよりも驚いたのがサラミ。

今まで食べたサラミの中で1番美味しかった。

肉の旨みに時折感じる胡椒の辛さがばっちりだった。

7.25ユーロ(1,160円)と我々にしては高い買い物だったが良いものに出会えたようだ。

食べていると昨日ダンボールを梱包するのを手伝ってくれたスペイン人のミゲルもやって来た。

イビキがうるさかった男性をチラ見しながら、

めちゃくちゃうるさかったな。

と、ミゲルもだいぶ困っていたみたいだ。

ほんとすごかったもんな…

彼は父のために歩くと言っていた。

頑張ってミゲル!

ブエン!カミーノ!

お互いのカミーノが良いものになる事を願ってお別れをした。

食後は荷造りをしてもらう8時にチェックアウト。

簡易シーツを捨てて荷物を持ってレセプションへ。

誰もおらず特にチェックアウトという手続きは必要無いみたいだった。

さぁ!出発だ!

と、言いたいところだが我々はまだこの街を離れる事ができない。

ポンチョを買おう

これから先1週間は毎日雨が降る可能性が高い。

今日は予報が外れて晴れてくれたのだが明日以降は多分雨続き。

レインジャケットは新調してきたが、前回イギリスで雨の日に使ったらジャケットはまだしも、バックパックの背中から浸水してしまう事がわかった。

もちろんバックパックにもレインカバーはしているがどうしても背中や剥き出しのショルダーベルトや腰ベルトはびしょ濡れになってしまう。

昨日スポーツ用品店でポンチョを見せてもらったのだが、

  • 5€:一度でも壊れそうなペラペラ
  • 29.9€:しっかりしたやつ

と値段の差が激しかった。

気持ち的には5ユーロ(800円)の物だが、なんせ南米で100円で売ってそうなクオリティなのでどこかに引っかけた瞬間破れてしまうだろう。

かと言って29.9ユーロ(4,785円)の物までは不要。

一度店を出て他のお店を見て回ったら9.5ユーロ(1,520円)で数回使えそうなやつを発見。

だがお店は閉まっており今日何時から開くのかわからない。

早ければ7時、遅ければ10時と信じて今日買ってから出発する事にしていた。

荷物をレセプションに置いてAzuに見張ってもらいながら僕が店を見に行く。

8時に店をチェック。

閉まっている。

9時にチェック。

閉まっている。

10時にチェック。

閉まっている。

ダメだ、開く気配無いね。

えぇ〜。他のお店も探してみようか。やっぱり29.9ユーロは高いよ。

諦めて荷物を持って宿を出た。

探すのに役に立つかもと思って最後にまたそのお店に寄って写真を撮った。

すると、脇から人が入って行くのが見えた。

まさか!

ボンジュール!買い物かしら?ちょっと待ってね!

10時20分にお店を開けてくれた。

この中途半端な時間感覚はやはり外国だなぁ。

こうして無事にポンチョをゲットした。

明日から頼むぞ!

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我々のカミーノが始まった

準備は整った。

さぁ行こうではないか!

店の前で商品の陳列をしていた店員さんに挨拶をして左に歩き出す。

ちょっと!あなた達どっちに行くの?

声に振り返るとAzuは右に向かって進んでいた。

慌てて反転してAzuに追いつく。

間違えてるのに無視して反対に進むとは酷い。

門を出て街のはずれにやって来た

せっかくなので写真でも撮ってもらおう。

出発だい!

バックパックに付けたホタテ貝はピルグリムの証だ。

ここからがスタートだ。

どんな旅になるのだろうか。

エレメンタルジャーニー、それが我々のカミーノだ。

ナポレオンが通ったと言われるナポレオンルートを使ってスペインを目指す。

ねぇ、さっき写真撮ってもらう時の英語めちゃくちゃだったよ。ちゃんとお願いしてよ。

せっかくのカミーノの始まりなのにAzuはプリプリしていた。

僕の英語が下手くそなのはいつものことだ。

それが今日は指摘しないと気が済まないようだ。

…理由はわかってる。

新しい事を始める時、環境が変わる時Azuはすごく不安定になる。

カミーノという挑戦が不安なのだろう。

できればこのかけがえのない経験を楽しんで欲しいのだが。

スタスタ1人で歩いて行くAzu。

やれやれ。

気分が落ち着くまでは後ろから見守ろう。

程なくして1人のお爺さんに出会う。

彼はポーランド人で健康のために歩いているそうだ。

ポーランドでもかなりの距離を歩いて来ているようでとても痩せたと言っていた。

君たちはクリスチャンかい?それとも歩くのが好きなのかい?

当然の疑問だ。

カミーノする日本人は珍しいらしい。

アジア人は韓国が多いそうだ。

私はクリスチャンじゃないです。歩くのも好きじゃないです。

Azuがそう答えると彼は、僕に向かって、

じゃあ彼女は君に着いて来た訳だ。君はとてもラッキーだよ!僕の妻は付いてきてくれなかったよ。ハハハ。

そうなんだよな。

これは色んな人に言われる。

Azuとは喧嘩もするが一緒に旅ができて、カミーノのスタートを迎えることができて良かった。

こうして色んな人と道中出会うのだろう。

サンジャンの街を出てからずっと緩やかな登りが続く。

すぐに素朴な丘陵地帯になった。

景色がとても良い。

天気も良いし最高のスタートだ。

背後から自動車の音がしたので路肩に寄って道を譲る。

追い抜いて行ったのはなんとクラシックなオープンカー。

しかも1台じゃ無くて10台くらい通って行った。

きっとクラシックカーの愛好会みたい感じなのだろう。

我々に気づくと笑顔でサムズアップしてくれた。

めちゃくちゃ気持ち良さそうに追い越して行った。

程なくして未舗装路になった。

少し登ってから振り返ると美しいフランスの田舎道が見えた。

フランスと言えば華やかなパリのイメージがあるが、フランスの魅力はこの素朴な田舎にあるんじゃないかと思う。

こんな素敵な道を歩けて僕は幸せ者だ。

とても気持ちが良い道ではあるが日差しが強くかなり暑い。

気温は30度近いだろう。

登りな事も加えてAzuはかなりグロッキーになっていた。

同じくバデバテなイタリア人の夫婦を励まし合いながら一緒に登って行く。

途中風の通り道なのかとても涼しい場所があった。

柵にもたれかかって休憩するAzu。

頑張れ。

そして景色を楽しんで。

牛さんも頑張れって言ってるよ。

美しい光景に何度も振り返ってしまう。

サンジャンの街から6kmほど歩いただろうか。

あまりに美しい。

来て良かった。

心からそう思う。

これが見たかったんだ。

ヨーロッパの田舎をAzuと2人で歩きたかったんだ。

Azu暑さに耐えて頑張って歩いていた。

初日はとにかく登る。

1時間毎に休憩しながら少しずつ進んでゆく。

カランカラン

カウベルの音が鳴り響いていた。

未舗装路が終わり、舗装路に合流した所に水道があった。

水筒の中身が心許なくなっていたので助かった。

ついでに顔を洗ってリフレッシュ。

この頃になるとAzuも気分が落ち着いてきたようだった。

歩き始めて3時間ほど、13時を過ぎていたので昼食を取ることにした。

朝と同じくパンとサラミだ。

絶景を見ながらの昼食は最高だ。

パンを食べていると後方から自転車がやって来た。

こんな素敵な山道を自転車で走ったら最高だろうな。

いつかヨーロッパに自分の自転車を持って思う存分走ってみたい。

単なるサイクリストかと思ったが我々を追い抜く際に、

ブエン!カミーノ!

そう言ってくれた。

よく見れば彼のバックパックにもホタテの貝殻が付いていた。

彼らもまたピルグリムなのだ。

カミーノは徒歩でも自転車を使っても馬を使っても良いのだ。

通常初日はサンジャンから27km離れたRoncesvallesという街まで行くのが一般的だ。

だがAzuはそこまで歩くのが心配だと言うことで8km地点にあるOrissonで1泊することにしている。

初日だし無理はしない事にしたのである。

Orissonまでは残り2kmほど。

美味しいパンを食べた再び歩き出す。

景色は相変わらず美しい。

が、我々の向かう先からは雨雲がやって来ていた。

アルベルゲまで降らないでくれよ。

歩き始めて4時間。

今日のアルベルゲである「Auberge Borda」到着した。

チェックインは14時半からなので20分ほど外で待つ。

最高のアルベルゲ

14時半なったらホストであるオスピタレロのミゲルがやって来た。

陽気で明るいミゲル。

終始ジョーク混じりで場を和ませてくれる。

ウェルカムドリンクとしてレモネードを振る舞ってくれた。

疲れた身体に嬉しいね。

このAuberge Bordaは1日14人しか泊まれない小さなアルベルゲ(巡礼者用の安宿)だ。

当然予約必須。

4年前から営業しているそうで、羊飼いの小屋と、羊小屋を改修したそうだ。

チェックインが済むと設備を案内してくれるミゲル。

このアルベルゲでは南京虫対策がかなりしっかりしていた。

まず案内されたのがストレージルーム。

ここに靴とバックパックを置き、必要な物だけトレーに入れて部屋に持って行くそうだ。

という事は南京虫はバックパックに潜むのだろう。

続いて我らの部屋。

めちゃくちゃ綺麗。

しかもカーテン付いてるし、電源もベッド脇に付いている。

多分このカミーノの中でこれを超える綺麗なアルベルゲに出会う事は無いだろう。

サンジャン同様に不織布で出来た簡易シーツが配られた。

皆疲れているので交代でシャワー。

ミゲルから受け取ったコイン(トークン)をシャワールームの機械に入れると4分間お湯が出る。

短いと思われるかもしれないが水を出している間が4分なので、身体を洗っている間に水を止めればカウントもちゃんと止まるので必要十分。

とても綺麗なシャワールーム。

シャワーの後は19時のディナーまで自由時間。

ブログやInstagramしつつ、1時間昼寝。

19時になったらお待ちかねの夕食。

外に出ると雨が降り出していた。

この雨を喜んでいるのかとんでもないサイズのナメクジを発見。

デカ過ぎ

皆でテーブルを囲む。

ミゲルは言う。

ここには国籍も歩く理由も様々な人たちがいる。だからまずは1人ずつ自己紹介をしてくれ。

イタリア、デンマーク、ドイツ、カナダ、アメリカ、ニュージーランド、そして我々日本。

それぞれが挨拶をした。

Azuは英語が苦手だと前置きした上で頑張って説明。

僕もAzuに捕捉する形で挨拶を済ませた。

日本では働き過ぎていて家族の時間が取れなかったんです。だから人生を変えるために世界を旅しています。カミーノはとても長い旅になるから、僕は妻と一緒に歩きたいんです。

みんな暖かく拍手してくれた。

なら君たちは一つのベットで寝るといい。

誰かがそう言うと笑いが起きた。

みんなユーモアがある。

自己紹介が終わるとディナーが始まった。

最初はスープ。

コンソメかな?優しいお味。

テーブルマナーを気にしながらぎこちなく食べる。

テーブルには赤ワインがサーブされる。

これは食事代に含まれているので飲み放題。

隣のデンマーク人のオジギと一緒に飲んだ。

今日はあまり飲む人がいないらしく2人でこのデカンタを3回空にした。

ワインなんて日本じゃ飲まないけど今日は美味しく感じた。

ワインの産地だから良いワインなのか、これもまたカミーノの魔法なのか。

メインはジャガイモとチーズのグラタンみたいなやつと羊肉の煮込み。

量が少なく見えるが大皿に沢山あるので3回くらいおかわりした。

どちらもあっさり目の味付け。

これに加えてパンがサーブされた。

最後はデザート。

レモンまたはチョコラテのムース。

美味しい。

僕らは英語がダメダメだけどみんな優しくてゆっくり喋ってくれた。

隣の人がデンマーク出身だったのもよかった。

我々はデンマークに行ったことがあるのでその話をしたらすぐに打ち解けることが出来た。

お互いの国のことを沢山話した。

ワイン付きでw

何度乾杯したかわからない(;´∀`)

Azuの隣のカナダのマダムもとても優しかった。

簡単な言葉を選んで話をしてくれた。

ここに泊まるのは体力に自信の無い高齢者が中心。

落ち着いたとても楽しいディナーだった。

食後は精算。

  • 1泊夕食朝食付き:45ユーロ(7,200円)
  • ランドリーサービス:3ユーロ(480円)
  • 明日のランチボックス:8ユーロ(1,280円)

1人合計56ユーロ(8,960円)と高価だがそれに見合う素晴らしいアルベルゲだ。

ちなみにランドリーサービスは今日も雨が降り出しているし、明日も雨なので乾く気がしなかったのでお願いした。

この旅が始まって2回目のランドリーサービスだった。

また、明日はこの近くには商店も無く、フードトラックが近くにいるだけとのことで昼飯のランチパックもお願いする事にした。

色々とお金がかかるが仕方ない。

上手い事やっていこうと思う。

明日のランチパックのサンドイッチはハムとチーズでいいかい?それともチーズだけ?もしかしてパンだけ?

もちろんハムとチーズで!

ミゲルは相変わらずおどけて来たのでハムとチーズでお願いした。すると、

with bread.

となりのオジギがパン付きだと補足してくれてまたも笑いが起きる。

確かに僕らはハムとチーズって言ってたな。

暖かい世界だった。

21時にディナーはお開き。

22時には消灯されて寝息があちこちから聞こえてくる。

僕は早速ワインの頭痛に苦しみながらブログを書いて23時に就寝。

今日は早めにアルベルゲに来れたし、体力にも余裕があったからブログが書けたけど明日以降どうなるかな(;´∀`)

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明日は18kmほど歩く予定。

雨予報なのがとても心配。

それでは!



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名前:mosari
年齢:30代アラフォー
性別:男性

2023年4月2日から夫婦の夢だった世界一周の旅に出ました。

小学校の同級生夫婦のポンコツ世界一周旅で世界の絶景、地球の美しさ、多種多様な文化を見てきます。 現在は3ヶ月のフィリピンでの語学留学を終えて、世界を巡ってます。

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