カミーノ45日目 歩く方が楽?!バスでサンティアゴへ スペイン【世界一周536日目】

【世界一周536日目】2024.10.16 スペイン

残り0km

Santo Estevo de Lires→Santiago de Compostela

歩行距離0km

気温:12度〜19度

歩数:3,678歩

1ユーロ=162.69円

mosari
バスに乗るからこれにて巡礼はおしまい!

相棒に感謝を込めて

朝目が覚めたのは7時半。

いつもならもう歩き出している時間。

今思うと信じられないな。

毎日毎日5時半に起きて7時に歩き出していたなんて。

でもそれももう終わりだ。

我々のカミーノはフィステーラに到着することで終わったのだ。

もう歩かないのだ…

Azuは隣でよく寝ている。

今日は11時にチェックアウトすれば良いから9時頃に起きれば十分に間に合う。

ゆっくり寝てくれ。

本当に44日間お疲れ様。

9時になってAzuを起こした。

おはようAzu

…今何時?

9時。

もう9時かぁ。よく寝た。

起こさなかったら12時まで寝てそうだね。

うん…

他愛の無い会話。

でもこんな他愛の無い会話もカミーノの最中はできなかった。

ドミトリーだからね…

日常が戻ってきた。

まずは朝食。

いつもの。

きっと今日が最後のサンドイッチかな。

最後まで変わらぬ朝食を食べた。

だらだらとパッキング。

いつもと違うのは寝袋を使っていないからしまわなくて良いのと、お世話になった相棒をしまうこと。

900km僕を支えてくれた大切な相棒だ。

もし相棒がいなかったらとっくのとうに膝は壊れていただろう。

その相棒とは、

もちろんトレッキングポールのことだ。

新品だったゴム底は真っ平にすり減っていた。

よく見るとあちこちに傷が出来ていた。

登りや降りでは体重を分散させたり、腕の力を使えたりと大活躍。

泥だらけの道でもバランスを崩しそうになった時に支えてもらった。

平坦でも推進力や歩くリズムをとったりとまぁずっと一緒でした。

それを今日は袋にしまった。

ありがとう。

本当に助けられた。

ちなみに航空会社によってはトレッキングポールは手荷物として持ち込めない場合がありますので注意!

出会った日本人の方も中国での乗り継ぎ時に没収されたそうで、キャンプ場に落ちていた木の棒を使っていた。

またひとつカミーノが終わったことを実感。

ふと気になってシューズの裏も見てみた。

踵の左側のソールがすり減って黄色の本体が見えてしまっていた。

これも多分寿命だろうか。

まぁ900km歩いたら大往生なのかな?

世界一周前に買ったから1年半ちょっとか。

日本に帰るまではもう少し頑張ってもらおう。

11時になったら宿を出た。

フィステーラの街に巡礼者の姿はあまり無かった。

みんなもうムシアに向けて歩き始めてるのだろう。

もしくはもうバスでサンティアゴに帰ったか。

バス停に向かって歩いていく。

ザッザッザッ

毎日聞いていた足音。

でも明確に違う。

いつもなら足音に加えて、

カツ、カツ、カツ、カツ

トレッキングポールが地面を叩く音が聞こえていたのだが今日はその音が聞こえない。

だってさっきバックパックの中にしまってしまったからね。

寂しいなぁ。

だから自分で口すさんだ。

カツ、カツ、カツ、カツ。カツ、カツ、カツ、カツ。

終わっちまったんだなぁ。

寂しさを感じながらバス停に到着した。

バス停には見覚えのあるおじさんの姿が。

アメリカ人のウィルバートだった。

初日のOrissonの宿で出会い、ゴールのサンティアゴでも出会うことができた紳士だ。

彼はバスでフィステーラに来て、これからムシアに向かうらしい。

君たちは日本に帰ったらどうするんだい?また9時に仕事を初めて1時か2時まで働くのかい?

驚いた。

初日のOrissonの宿で話をしたことを覚えてくれたのだ。

もちろんNoさ。何をするかは決まっていなけど。

そうか、これからもカミーノを続けるんだよ。

そうか、カミーノってのは歩くという意味だけじゃない。

2人で人生を歩くことでもあるんだな。

こりゃ長い長い旅になりそうだ。

ありがとうウィルバート!

先に来たムシア行きのバスに乗るウィルを見送った。

そのバスは普通のバスだったけど、11時45分発のサンティアゴ行きは2階建ての大きなバスだった。

前日までに予約した方が良いと言われたので昨日スマホから買っておいたQRコードを見せてバスに乗り込んだ。

予約やスケジュールはこちら。

https://www.monbus.es/en/

バスに乗るとすぐにバスは出発した。

地獄のバス移動

フィステーラ→サンティアゴ 3時間 MONBUS 7.2ユーロ

いつもの。

いやぁ、狭い狭い。

バスってこんなんだったなぁ。

バスは漁港まで進んでUターン。

フィステーラの街がよく見えた。

港町っていいよなぁ。

アルゼンチンのウシュアイアの街を思い出した。

港にある船を見てはノルウェーのウィリーとエレンを思い出した。

あなた達のカミーノはエレメンタルジャーニー(原始的な旅)ね!

エレンはこう僕らのカミーノを形容してくれた。

クリスチャンじゃない僕らのカミーノ。

それは原始的な旅だと教えてくれた。

ただ歩いて向かうだけ。

晴れの日も雨の日も強風の日も。

楽しかった。

Uターンしたバスは先ほどまでいたバス乗り場を超えて街の郊外を目指して走っていた。

昨日歩いて来た道を逆走している。

すぐに巡礼路から離れてしまったけれど、坂の上に昨日歩いた道が見えた。

そこには楽しそうにトレッキングポールを使いながら歩いている僕とAzuの姿が見えた。

もちろんそんな事はありえない。

でも確かに昨日2人で歩いたその道を、歩いている2人の姿がバスの車窓から見えたんだ。

それは側から見ても楽しそうに見えた。

あなた達のプリティーウォークを続けてね。

そう言われたことがあるのを思い出した。

確かにそう言われるのもわからなくは無いくらい楽しそうに見えたのだ。

思えば多くの人に話しかけてもらった。

日本人の夫婦なんてめちゃくちゃレアだからみんな覚えてくれたし、遠く離れた日本から来た夫婦が楽しそうに歩いてるもんだからみんな気になって声をかけてくれたんだな。

Azuと一緒に歩けたおかげだ。

そのAzuは隣だ寝息をたてている。

僕の手を握りながら。

バスってのはすごい。

あっという間に次の街に着いてしまった。

こんな便利なものがあるならそりゃみんな使うよな。

だからこそ、そんな時代だからこそ歩けたのはとても贅沢で貴重な経験になった。

車窓からはフィステーラに向かう巡礼者の姿が見えた。

山の中から出て来た所のようだった。

大変だったろうけれど、めちゃくちゃ楽しいんだよな。

正直歩いている彼らが羨ましく見えた。

僕はバスに乗ってしまった。

だからもうあちら側の人間では無い。

歩いている巡礼者はとてもかっこよく見えた。

またいつか我々は歩くのだろうか?

I hope so.(そうだといいな)

僕の心がそう言っていた気がする。

感傷に浸っているとAzuが目を覚ました。

それが地獄の始まりだった。

気持ち悪い…

そう言ったAzuはぐったりしている。

そして、

オロロロロロロ

持っていたビニール袋に嘔吐した。

あぁ、日常に帰ってきた。

そう実感した。

カミーノは終わった。

旅が始まったのだ。

この瞬間に強くそう思ったのをよく覚えている。

巡礼者(ピルグリム)から旅人に戻ったのだ。

ここからAzuは本当に大変だった。

もう何度嘔吐したかわからない。

Azuが袋を開く度に僕は持っていたとんがりコーンのようなお菓子の袋を動かして音を立てる。

Azuの嘔吐音をかき消すためだが、Azuは最初「こいつ、人が吐いてるのにお菓子食うつもりかよ!」と、思ったらしい。

流石にそんな酷いことはしませんw

ついAzuに、

歩いて帰った方が楽だったかもね。

なんて冗談を言ったら、

うん…

そう返事をして来た。

90km歩いた方が楽と思えるほど辛いバス移動となったようだ。

思わぬ休息日

15時にサンティアゴのバスターミナルに帰って来た。

本当は巡礼事務所に行って巡礼証明書をもらったりサンジャンから送っている荷物の回収をする予定だった。

が、憔悴しきっている今のAzuにそれは酷だろう。

全て辞めにして休息日に変更した。

そんな訳でとりあえずバスターミナルのベンチでAzuはダウン。

1時間ほど寝て、さらに30分ほど休憩。

その間僕はモシャモシャと持っていたパンを食べながら人間観察をして過ごしていた。

吐き気がおさまったところで今日の宿に向けて移動。

エアビーに登録されてる住所が違っていて辿り着くまでに違うマンション2軒のベルを鳴らしてしまった(;´∀`)

無事に着いて良かった。

今日の宿はエアビーなのだが貸し出し専用みたいでホストは別の場所で暮らしているようだ。

もう1人別の部屋に宿泊客がいるだけで、我々3人でマンションの1室を使うことになるようだ。

ざっくり1泊9,000円。

高いがキッチン付きで個室、そして駅とバスターミナルから徒歩で5分と立地が良い。(旧市街までは20分くらいかかるけど)

明後日は朝5時45分のバス移動があるのでバスターミナルから近いと助かるのだ。

そんな訳で荷物を置いたら目の前のスーパーへ行って夕食を調達。

Azuはあまり食欲が無いので外食は無理とのことで自炊。

はい、出前一丁の豚骨味です。

具合が悪くてもこれなら食べられる!!

ちなみにこれは香港から来たやつ。

香港って出前一丁が超絶人気なのだよね。

初めて香港行った時にお土産で買って来たのも良い思い出だ。

そんな訳で2人でちゃちゃっとドンっ!

卵とパプリカと玉ねぎを入れたラーメン。

シーザーサラダにフルーツヨーグルト。

もうね、優勝です。

JAPANクオリティの豚骨ラーメンは本当に美味しかった。

麺だけローカライズされてか少しふにゃふにゃだったけどスープは本物だった。

食後はシャワーを浴びて洗濯。

シャワーはアツアツでタオルも貸してくれた。

洗濯と洗濯機を使わせてくれたので大量に洗濯をした。

めちゃくちゃ楽。

洗濯機ってマジですごい…

夜はゆっくりして過ごす。

明日は朝から巡礼証明書を取りに行くぞ。

今日の歩数は3,678歩。

カミーノ中の10分の1である。

毎日毎日よう歩いたなぁ(;´∀`)

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明日は巡礼事務所に行って巡礼者行事をしてきます!

それでは!



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名前:mosari
年齢:30代アラフォー
性別:男性

2023年4月2日から夫婦の夢だった世界一周の旅に出ました。

小学校の同級生夫婦のポンコツ世界一周旅で世界の絶景、地球の美しさ、多種多様な文化を見てきます。 現在は3ヶ月のフィリピンでの語学留学を終えて、世界を巡ってます。

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