【世界一周506日目】2024.9.16 スペイン
残り506.6km
Agés→Burgos
歩行距離22.2km
気温:6度〜22度
歩数:35,428歩
1ユーロ=156.48円
キツい朝
グゴオオオオ!ズゴオオオオ!………グオオオオオオオオ!
夜中にとんでもないイビキで目が覚めた。
時計を見ると0時。
あまりのうるささにとても寝れる気がしない。
昨日はちょっと熱っぽい感じがし始めていたのでちゃんと寝ておきたかった。
だけどこれじゃ無理だ。
ひたすら目を閉じて、沸き立つ殺意を抑え続けた。
朝方になってようやく寝れたようで6時半のアラームで目を覚ます。
スマートウォッチの履歴によると4時過ぎに寝れたらしい。
少し頭がぼーっとする。
熱っぽさが悪化して何か症状が出た訳では無いが、回復した感じでも無い。
歩けるとは思うけど無理は出来なさそうだ。
部屋から荷物を運び出そうとパッキングしてるところで大イビキの主も起きて来た。
すれ違い様に香る汗臭さ。
昨日シャワーを浴びてないのか洗濯をしていないのかのどちらか、もしくは両方だ。
もう1人はまだ寝てるってのに音を立てる事に躊躇無くパッキングしている。
自分の事しか考えられない残念なピルグリムだった。(昨日も何も言わずに20時過ぎに電気を消された)
朝からモヤっとしながら朝食。
昨日は日曜で何も食料が手に入らなかったのでアルベルゲの1階で何か食べる事にした。
キャロットケーキにパン オ ショコラにツナのエンパナーダ。
飲み物はカフェ コン レチェ。
これで13.2ユーロ(2,075円)、たっけぇなぁ。
それよりも今朝はAzuの様子がおかしかった。
Azu何食べる?クロワッサンにパン オ ショコラと、他何にする?
mosariが食べたいの頼めばいいじゃん。
いつもは何を頼むか話をしてから注文するのに今日は相談する気が無いようだった。
機嫌が悪そうなことの心当たりといえば大イビキおじさんだ。
でも「体調悪い時にイビキで寝るのはキツいわ。Azuは大丈夫だった?」と、聞いてみても「まぁ、寝れたかな」と、特におじさんに殺意がある訳でも無かった。
ちょっと訳がわからんかったがそのまま食べて出発の準備。
あっ!
2階から見覚えのある女の子が降りて来た。
そう、2日前から連続で同じアルベルゲに泊まっていたマカオの女の子だった。
これで3回連続同じアルベルゲだ。
昨日は見かけてなかったから別のところに行ったのかと思っていたのだが同じところだったとは。
夕飯を別の場所で食べるとこうやってピルグリム達との関わり合いが減ってしまうってことか…
彼女たちも今日目指す街は我々と同じブルゴスだったが、疲れているので2泊するそうだ。
今日で一旦お別れになってしまうがまた機会があれば道の上で会えるだろう。
オランダ人のアリスとも会ったので聞いてみると彼女も目指すはブルゴス。
だけどもうホテルを予約しているらしい。
みんなそろそろゆっくりしたいんだな。
沈黙のカミーノ
7時40分にアルベルゲを出発。
今日はすでに明るくなり始めていた。
吐く息は相変わらず白いけど、今日は最初からウルトラライトダウンを着ているし、バフ(ネックウォーマーみたいなやつ)も導入。
気温が昨日よりも高いってのもあるんだろうけど昨日に比べたら全然マシだった。
朝からコーヒーもいただいたしね!
やはり温かい飲み物を朝飲むと違うな。
だがそんなことよりも問題なのはAzuの様子だ。
何を話しかけても気のない返事しか返ってこない。
振り返れば美しい朝焼け。
今日もまた1日が始まるってのに僕らはまだ真っ暗闇の中にいるみたいにお互いが見えていない。
Azuは黙々と歩いている。
いつもならもっと話しかけていたと思う。
でも今日は寝不足&体調が良くないせいでちょっと頑張れなかった。
もう喋りかけない方が良さそうだね。話したくなったら話してね。
うん、なんか今日は口が重い。
こうして沈黙のカミーノが始まったのだった。
日はもう登った。
僕らはまだ暗闇の中。
8:15 Atapuerca到着
2.5kmしか離れてないのでサクッと到着。
何も無い小さな街。
カフェも営業していないようだった。
サクッと通過。
ここから徐々に登りが始まり、途中で久しぶりに家畜を発見。
フランスとの国境近くではたくさん見かけていたのだが、ピレネー山脈が終わると全然見かけなくなっていたのだよな。
久しぶりに見れてちょっと嬉しい。
山を登り切ったところでまた慰霊碑。
そんじょそこらにある慰霊碑。
カミーノ中に亡くなってしまった方達のもの。
石が積まれていて、靴と顔写真付きIDのコピーが良く置かれている。
顔写真付きってのが何ともリアルだ。
僕らは無事にサンティアゴに辿り着くぞ。
少し平坦な道を歩いた後にすぐ下りが始まった。
遠くに街が見える。
きっとあれがブルゴスの街だ。
多くのピルグリム達がそう思ったに違いない。
この街が見えた瞬間がワクワクしてたまらないんだよな。
カミーノの醍醐味のひとつだ。
カミーノを始める前に1番不安だったのは下りの時の膝だった。
今はこれくらいの下りならあまり不安にならずに降りられる。
少しずつ強くなっているのかな。
下り終えると刈り取られた畑が延々と続く。
でもなだらかな丘に沿っているので美しい曲線のおかげで飽きる事は無い。
少し寂しさを感じる光景になんだか秋になったことを唐突に実感した。
畑の真ん中に積まれた木よりも大きい牧草のような物のブロック。
どうやったらあんなふうに詰めるんだろ。
次の街までは6.2kmだったけどほとんど話さずに着いてしまった。
9:30 Cardeñuela Rio pico到着
出発から2時間弱経ったのでカフェで休憩する事にした。
謎のスムージーにカフェ コン レチェ。
飲み物を飲んでもAzuの気分は回復しないようだった。
そして僕も超テンションが下がった。
長ズボンの裾に穴が空いていたのだ。
まだカミーノは30日弱残っているし、その後はボランティアもある。
こんな穴空いててヘビロテ&手洗い(手絞り)に耐えられるだろうか。
乾きやすい素材じゃ無いとキツいんだよなぁ…
休憩後も淡々と歩いていると畑に置かれた牧草のブロックを綺麗に積んでいる作業車を見かけた。
これがまたすごくて綺麗にブロックを積んでいて驚いた。
文書だと説明があまりに難しいので割愛w
さっき道の途中でAzuは「気分が上がらない、上がる要素が無い」と言っていた。
精神的に今日はダメだと。
今のだって気分が上がるには十分じゃないか。天気は良くて、太陽の日差しも暖かい、道も美しい。なんだってきっかけはあるよ。
そう言ってみたがあまり響いていないようだった。
10:30 Orbaneja Rio pico到着
何も無い小さな街。
サクッと通過。
この街を出ると二手に別れる分岐点に出た。
片方の道にはモホンが合って、もう片方にはモホンが無い。
無い方の道に進む人たちがどこを目指しているのかわからなかったが我々はモホンのある方を選んだ。
歩道が無くて危ない道があったりもしてなかなかつまらない道だった。
というか大きな街に近づいている感じがプンプンする。
11:20 Villa fria到着
そろそろ昼飯を食べる事にした。
いい感じのカフェが見つからずホテルに併設されてるバーに入った。
高くありませんように(;´∀`)
我々の前にオーダーしていたのはカナダ人の夫婦。
オムレツを頼みたい様だったがカウンターの上には3個のオムレツ。
これは何ですか?
スペインスペインナポレオンナポレオン
英語で何のオムレツか尋ねたがオーナーは英語が話せない様でスペイン語で返答していた。
が、カナダ人の夫婦はスペイン語がわからない様だった。
これは卵とジャガイモで、これはソーセージ入り、こっちはハムにアリオリソースだよ。
と、英語で説明してあげる我々。
ついでにオレンジジュースが飲みたいと言うのでフゴ デ ナランハとオーダーしてあげた。
さらにはWi-Fiのパスワードも知りたがっていたので教えてあげた。
まさか我々が欧米人相手にスペイン語を翻訳してあげる日が来るとは。
人生何があるかわかりませんな。
もちろん我々の英語とスペイン語はカタコトというか単語レベルなので全くすごく無いことを補足しておく。
我々もオムレツにした。
チョリソーのオムレツと、ハムのアリオリソースだ。
めちゃくちゃ美味しい。
次からスペイン風オムレツ見かけたら食べるようにしよっと。
スペイン語でトルティーヤと呼ぶらしい。
食後はブルゴスに向けて歩き出す。
昼食を食べて元気になったのでAzuに話しかけながら歩いた。
まぁあまり反応は良く無かったけど。
Azuは人生が変わる節目にカミーノに挑戦すると言った。
人生を変わるってことはAzuも変わるってことだ。
歩くのは大変だし辛いかもしれないけれど、この経験を糧に何か変わるきっかけを掴むんだ。
こうして沈黙のまま歩くのは僕も辛いけど、後ろでそっと支えてるから。
街の中にブリヂストンの工場があってちょっと嬉しい。
頑張れ日本企業!
ひたすら幹線道路沿いを歩くとブルゴスの街が見えて来た。
カミーノは楽しいと言いつつも車通りの激しい車道沿いは楽しく無いのであった。
ブルゴスの街に入ったのは良いけれど、めちゃくちゃ大きい街だった。
全然アルベルゲに着かない。
これまで見た中で1番大きなモホン。
集合住宅の壁面を目一杯使って描かれていた。
途中で旧市街っぽい雰囲気になってようやく目指していたアルベルゲ「Albergue de peregrinos Casa del Cubo de Burgos」にたどり着いた。
13時50分。
22.2kmの距離を休憩込みで6時間10分だった。
夕飯は久しぶりのアレ
100ベッドのアルベルゲなのであんまり心配はしていなかったが割と最後の方だったのか最上階の端っこよりのベッドだった。
大部屋だが片側の壁があるのでプライバシー感高めでgoodだ。
1人10ユーロ(カード不可)。
シャワーは少しぬるめ。
続いては洗濯なのだが初めてオケが無かった。
水が溜められないので洗濯しづらい。
しかも手持ちの石鹸(身体を洗うのと洗濯兼用)が残り少なかった。
石鹸は少ないわ水は溜められないわで大変な洗濯だった。
でもAzuは文句言わずに一緒に洗濯してくれた。
続いては夕食。
近くのレストランではディナーは20ユーロ(3,140円)とかなり高かった。
仕方ないので近くのスーパーへ。
明日のパンと、無くなった石鹸、そして無くなりそうなシャンプーも買った。
石鹸とシャンプーを一気に買ったので明日からちょっと荷物が重くなりそうだ。
って言うかキッチンが無くて使えていない玉ねぎとズッキーニを早く使いたい(;´∀`)重い…
そんな訳で宿に戻って夕食。
…
…。
…
ピラフにサラダ、ガスパッチョにネクタリン!
めっちゃ豪華ぁぁあ!
ちなみにピラフは冷凍食品。
パッケージにはフライパンで炒めよと書いてあったが電子レンジで温めた。
サラダは値引きされていた具沢山サラダにトマトを足した。
ガスパッチョは注ぐだけ。
たらふく食べたがこれで6ユーロ程度。
大満足だ。
大きな街はスーパーがあるのがいいね。
でもこの先はどんどんキッチンが無くなるらしい。
この宿も電子レンジしかなくコンロは無い。
最初の頃は充実してたのに…
格安ディナーを食べてお腹いっぱい。
サラダのハニーマスタードドレッシングが思ったよりも美味しくてAzuも喜んでいた。
お腹が膨れてAzuも少し元気になったのか、少し散歩したいと言って来たので一緒に外へ。
目指したのは隣にあるこれ。
Capilla del Condestableという世界遺産。
いや、凄すぎでしょ。
何と言うか細部までかなり細かく作られていてちょっと感動。
その精巧さはまるでバルセロナにあるサクラダファミアだ。
あれもまた見たくなってしまった。
正面から。
右側の尖塔が補修中だった(;´∀`)
中は無料エリアと有料エリアに別れていた。
有料エリアは通常10ユーロ?程度がピルグリムだと5ユーロで入れるそうだった。
が、我々は無料エリアだけ見て退散。
もちろんクレデンシャルにはスタンプをもらっておいた。
可愛らしい街を散歩して宿に戻った。
上段ベッドに上がってくつろいでいたらAzuも上がって来た。
どうやら話す気になったらしい。
2人で横に座って明日のことを話した。
気分転換にブルゴスにもう一泊しないで良いか聞いてみるとAzuは「先に進む」ことを選んだ。
それならばと明日のアルベルゲを予約した。
一緒に頑張ろうAzu。
21時ごろにベッドのある大部屋はすでに静まり返っていた。
こりゃあいいアルベルゲだ。
そう思ってたんだけど、22時になったらゾロゾロと酔っ払い?が帰ってきた。
このアルベルゲはベッドルームの端っこに水場があるので歯を磨いたり手を洗ったり、かなり賑やかになった。
これでは寝てる人も全員起きただろう。
酔っ払ってるから声も動作も大きい。
とても22時過ぎとは思えないうるささ。
そして何より明らかにイビキがうるさそうな熊の様な男が僕のベッドの横に上がって行くのが見えた。
はぁ、またうるさい夜か。
しかも酔っ払ってるからマジでヤバそうだ。
体調回復させたいのにドミトリー(アルベルゲ)はこれが辛いね。
パッとしない昼間に嫌な終わり方の夜を迎える事になりそうだった。
でも夜にAzuが少し元気になったのでそれは本当に嬉しい。
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