カミーノ29日目 今日は山越え 膝よ持ってくれ! スペイン【世界一周520日目】

【世界一周520日目】2024.9.30 スペイン

残り237.2km

Rabanal del Camino→Riego de Ambrós

歩行距離20.1km

気温:2度〜16度

歩数:27,426歩

1ユーロ=158.75円

mosari
天気が良いと山越えは最高に気持ちが良い。

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朝食パーティー

昨日は隣のおじさんが少しイビキがうるさいくらいで平和そのもの。

朝食が7時からだったので6時半に起きる。

Azuが言うにはもうその時点でアメリカから来てるリズのベッドは空っぽだったそう。

朝食を取らずに歩き始めたのか…

僕らは7時にキッチンへ。

昨日作ったサンドイッチとバナナに加えてパンとコーヒーをいただいた。

パンはもっちりしてて美味しかったし、温かいコーヒーで身体もかなりポカポカだ。

久しぶりにたっぷりと蜂蜜をかけて食べていると1年前はキルギスにいたのを思い出した。

そこで買った白蜂蜜が懐かしい。

次から次へとピルグリムがやって来て楽しく会話しながら食べている。

ハッピーバースデー!

どうやら今日誕生日のピルグリムがいたみたい。

祝福の言葉や歌ったりしてとても賑やかな朝食だった。

誰かが言った。

朝食パーティーだな。

こんな賑やかな朝食会場は始めてだったのでなるほどな、と思った。

今日はどこまで行くのか?

そんな質問に対しては、

20km先まで。

宿が見つかるまで歩くよ。

30km先までかな。

人によってどれくらい歩くかはバラバラだけど、予定を決めずに歩く人はかっこいいよなぁ。

朝食の後はパッキングして出発。

絶景カミーノ

今日はゆっくり8時の出発。

だが今日は1つの山場でもある。

そう、久しぶりの山越えがあるのだ。

万全の体制ならまだしも数日前からの膝の痛みを伴う中では不安しかない。

距離は20kmと短めに設定しているし、一気に降りずに下りの途中にある街に滞在するように数日前から調整済み。

ゆっくりでも大丈夫なように宿も予約済み。

やれる事はやった。

頼むぞ膝!

明るくなり始めた道を歩く。

どうやら少し天気は悪そうだった。

どんよりしとした曇りの中ではあったがそんなに寒く無いのは幸いだった。

今日は最初から登りが続く。

ゆっくり登っているなか振り返るともうすぐ太陽が昇ろうとしていた。

the山!と言った未舗装路を歩く。

暑くないから登りが嫌いなAzuもスイスイと進んでゆく。

初日にフラフラになりながら登っていたことを思うとすごい進歩だ。

我々はアラフォーだし2人とも運動習慣も無く、2ヶ月前に始めてバックパックを背負ってのカミーノだ。

大変じゃない訳が無い。

でもそれでも今は不満も言わずに僕の前をぐいぐいと歩いている。

頑張ってるね。

本当に頑張ってる。

ほら、太陽も応援してる。

今までで1番真っ赤に燃えていた。

スペインは日が暮れるのも遅いが日が昇るのも8時20分とかなり遅い。

同じ地球なのに日本とは全然違う。

不思議だなぁ。

森を抜けると開けた場所に出た。

とても気持ちが良い景色が広がっていた。

写真だとわかりにくいけどかなり高い場所まで来ている。

自然豊かな光景に心が休まる。

足を止めると、

サアアアア

木々の葉が揺れる音だけが聞こえる。

都会の喧騒から離れ、穏やかな空気に身を置き、心豊かに生きる。

そんな生活が出来たらいいな。

日本だと難しいのだろうけれど…

9:00 Foncebadón到着

1時間登って今日初めての街。

いくつかアルベルゲがある街ではあるがまだ休憩の必要は無い。

膝は再び痛み始めていたが…

歩けないほどでは無いがじわじわとくる。

幸いAzuの足回りは回復に向かっているようで2人して最悪、という状況にはならなさそうだ。

とにかく膝に負担をかけないように、膝を冷やさないように気をつけねば。

街を抜けて再び緩やかに登っていく。

原っぱを抜けて道路沿いにやって来た。

遠くに下界が見える。

標高は1,500mほどのはずだ。

曇り空ではあるが登りの時に太陽があるとAzuがオーバーヒートしかねないので今はありがたかった。

そしてしばらく登っていると後ろから突然、

オハヨウゴザイマス!

と、元気な挨拶が聞こえた。

振り向くと昨日同じアルベルゲだったアメリカ人のアレックスがお辞儀をしていた。

昨日教えた日本式挨拶を早速実践してくれているようだった。

でも一緒にカミーノしているジーナはおらず1人だけ。

ジーナとは歩くペースが違うから先に歩き始めてるそうだ。

色んな形のカミーノがある。

少しだけ話をして彼はスイスイと登っていった。

さすがカミーノ30回目のプロだ。

しばらくすると丘の上に石が積まれている場所に出た。

これがあのCruz de Ferroか。

こっちに来てから知ったのだが、故郷の石をここに置くと過去の自分にさよならをして新しい自分になれるとかなんとか。

もちろん故郷の石なんて持って来て無い。

かと言って人工的なものを置いていくわけにもいかない。

少し悩んでからポケットから何かの時にと取っておいたドングリを取り出して置いて行った。

このドングリもスペインで拾ったものだがきっと新しい自分になれると信じて。

もう一個持っていたのでAzuもやるか聞いてみたら返事はNO。

ちぇ。

僕だけ新しい自分になって再び歩き出した。

引き続き登りが続いたが向かう先には青空が見え始めた。

とにかく気持ちが良い。

気温も歩くにはちょうどよく、景色もよい、Azuも元気。

山越えなのに幸せだ。

10:10 Manjarín到着

幸せだと言ったが腹は減る。

朝パンをたくさん食べたはずだがめちゃくちゃ腹が減ってしまった。

登りだから?

街の入口にフードトラックみたいなものがあったがこの先にカフェがあると信じて進むが、あるのは廃墟ばかり。

カランカランカラン

1軒のオンボロの小屋が寄っていけと言わんばかりに鐘を鳴らしていた。

露骨な客引きをしている場所は避けたいのだが、あまりに廃墟だらけすぎてこのままカフェは無いんじゃ無いかなとも思う。

次の街は7km先なので休憩無しは辛い。

それを恐れて怪しいボロ小屋に入る事にした。

中には仙人みたいな髭を生やしたおじさんがひとり。

有るのはコーヒーかコーラかビールだけのようなので、スタンプをもらってからコーヒーを1杯いただいた。

コーヒーといってもマシンで淹れたものでは無く焚き火の上に置かれたヤカンから直注ぎされるやつ。

久しぶりのシンプルなコーヒーと一緒に持っていたチョコパンを食べた。

値段を聞いたらドネーションとのこと。

持っていた1ユーロコインを入れておいた。

トイレが無いので早々に出発。

先に進むとすぐに街が終わった。

いや、正直ここは街とは言えないだろう。

フードトラックとボロ小屋の休憩所があるだけで後は廃墟しか無い。

冬はこの辺りは雪に埋もれてしまうとおじさんが言っていた。

夏しか人が来ず若者はみんな山を降りてしまったのかもしれない。

それでもおじさんが休憩所を運営していることで何とか地図に残っているのだろう。

最後の意地なのかも知れないな。なんて勝手なことを想像しながら先へ進んだ。

休憩したばかりなのにもう膝が痛み始める。

今日の膝の調子はかなり悪いのかも知れない。

これから600mほど降りないといけないのでかなり心配だ。

そんな心配を写し出したかのような鬱蒼とした景色。

いつの間にか雲の中に入っていた。

少し進むと坂の先がスッパリと途切れているのが見えた。

多分あれがピークだろう。

山を越える。

その時が来たのだ。

ワクワクしながらその先に進むと一瞬で雲がいなくなった。

あまりのギャップに驚いた。

雲を抜けたらとても美しい光景が広がっているでは無いか。

緑豊かな山々がどこまでも広がっていて、空には気持ちの良い青空。

そしてついに始まった。

下りが始まったのだ。

Azu、僕のことは気にせず先に行ってくれ。

骨は拾えないけどいいの?

そんな会話をしてAzuには先に行ってもらう。

僕は極力膝に負担をかけないようにゆっくり降りていくしか無い。

徐々に遠くなっていくAzu。

このまま見えなく…なる事は無かった。

Azuは立ち止まってはこの景色を堪能しているようだった。

いや、景色良すぎでしょう。

遠くには明日通るであろうPonferradaの街も見えた。

あまりに気持ちよくて疲労感はどこかにか飛んでいってしまった。

でも結構急な下り坂だし、小さな石がゴロゴロしているから滑りそうで結構怖い。

ゆっくり進んでいると前の方から声が聞こえた。

thank you!

Azuの声だった。

何だろうとカーブを抜けるとお婆ちゃんが1人休憩していた。

多分このお婆ちゃんにありがとうと言ったのだろう。

お婆ちゃんはカミーノのモホンが描かれた帽子を被っていた。

それがとっても素敵だったので、通り過ぎる時に「素敵な帽子ですね」そう言うと嬉しそうに「ありがとう。」と言われた。

その後ほんの少しだけ会話をしてからお別れをした。

少し先でAzuはハリボーを食べながら立ち止まっていた。

追いついて一緒にハリボーを食べていると、

さっきお婆ちゃんがいて、あなたの笑顔とっても素敵ね。って言われたよ。

あぁ、だからありがとうって言ってたのか。僕はお婆ちゃんの帽子が素敵だね。って言ったよ。

そんなお婆ちゃんの話をしていたら、後ろからお婆ちゃんが追いついて来て写真を撮ってくれた。

完璧ね。じゃあ次は前を向いて!

めっちゃ元気なお婆ちゃん。

アメリカ人かな?なのに写真を撮るのに細かく位置を調整しながら撮ってくれた。

欧米系、しかも高齢な方だと適当な画角な事が多いので驚いた。

後ろ姿に正面の2パターン撮ってくれた。

Azuも「お婆ちゃん完璧やん…」とその出来に驚いていた。

そのまま下るとEl Acebo de SanMiguelの街が見えたけど、その手前にベンチがあった。

Azu、ベンチで食べよう!

え?カフェじゃなくて?

ここ最近ずっとカフェで食べている。

疲れてたり寒かったり何か食べたかったりトイレに行きたかったりと理由は色々あるがこの景色の前にどうしても外で食べたくなった。

そんな訳でベンチに座ってサンドイッチを食べた。

外で食べるとやっぱり美味い!

食べ終わってほっこりしていると、何やら日本語が聞こえて来た。

横を見るとAstorgaで見かけた日本人グループだった。

この間は食堂で盛り上がっていたので何と無く話しかけなかった。

縁があれば道の上で出会うだろうと思っていたが、どうやら縁があったようだ。

そんな訳で今回はお話した。

3人組だったが一緒に歩きに来たわけでは無く、たまたま出会ってここ3日間ほど一緒に歩いているみたいだった。

でも今日でそれもお終いらしく、バラバラの街を目指しているんだそう。

これまでは平坦だったから同じようなペースで歩けても今日みたいに山があると人に寄って歩きたい距離が変わるって感じだろうか。

前半は全く出会わなかったのにレオン周辺からめちゃくちゃ会うようになったな。

もっとゆっくり色々と話を聞きたかったがなんせ道の上。

3人のうち1番遠くまで歩く人はここから13kmも先まで行くと言う。

そんな訳でお別れをして歩き出す。

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12:50 El Acebo de San Miguel到着

街の入口ではテラス席が賑わっていた。

これまでの雰囲気と違って何だか欧米人が好きそうな綺麗に整っている感じ。

何だか突然のツーリスティックな雰囲気にびっくり。

昼飯を何か、と思ったが辞めておいた。

街の出口にあった水道水で水だけ飲んで通過した。

どうせ次の目的地である街まで3.6km、1時間もかからず到着するだろう。

街を出てゆっくりと下っていると見覚えのある後ろ姿が見えた。

昨日一緒に夕飯を食べて片付けをしたアイルランド人のエドだ!

すごくいい人だったからまた会いたいと思っていたから嬉しかった。

エドは僕らの街の次に行くらしい。

1個くらいならまた縁が有れば会えるだろう。

レオンで2泊して多くの仲間たちは先に行ってしまって少し寂しかったがまた新しい仲間が出来て良かった。

やはりモデルルートを外れた小さめアルベルゲは仲間作りにいいね。

Azu選手ゴール!

今日の目的地に無事に到着。

不安だった膝の痛みはゆっくりゆっくり歩けばまだ大丈夫そうだった。

これなら明日も歩けるはずだ。

さてアルベルゲと思ったら全く街の感じでは無く、これまで同様の未舗装路が続いた。

あれあれ?

不思議に思いながら歩いていると10分ほどで再び街の看板を発見。

Azu選手再びゴール!

13:40 Riego de Ambrós到着

人気の無い街を歩いてアルベルゲを探す。

この街には1つしか無くベッド数もわずか26個のみ。

宿難民になったら次の街までまた下らないといけなかったので念のため予約しておいてある。

チェックインして1人8ユーロ(1,280円)を支払う。現金のみ。

アプリには夕食が付けられるとは書いてなかったが夕飯は有るらしい。

我々は昨日食べなかった食材があるので自炊する事にした。

ベッドは2段ベッドだが壁があるし、何より通路の両側のスライドドアが閉められるのでちょっとした個室感がある。(天井までは塞がってないので声なんかは聞こえるし鍵もかからない)

これは良い。

まずはシャワー。

女性用が使われていたので珍しく僕からシャワーを浴びた。

めっちゃアツアツで最高。

交代でAzuの番。

15分ほどで戻って来たが、

ヌルいとかじゃ無い。水。寒すぎる。

震えながら戻って来た。

僕の時はアツアツだったのに可哀想に(;´∀`)

中庭にある洗濯場で洗濯をしてそのま隣に張られたロープに干した。

厚手の靴下以外は日が沈むまでに乾いてくれた。

原始的な夜

事前にわかっていた事だがこの宿にはWi-Fiが無い。

昨日も無かったから2日連続ネット無し。(我々はsimを買ってないので通信不可)

強制デジタルデトックス。

とりあえず明日のパンでも買いに商店を探すが見つからず。

宿に戻ってオスピタレロに聞いてみるとこの街には商店は無いらしい。

パンが欲しいと聞いてみたがこの街では手に入らないそう(;´∀`)

夕飯で余ったらくれると言ってくれたが結局余らなかったのかパンは手に入らなかった。

というか昼もカフェに入ってないのでめっちゃ腹が減っている。

でもまだ15時台なので夕飯には早すぎる。

やる事も無いのでエネルギー節約のために昼寝する事にした(;´∀`)

16時半になったら起きてキッチンで夕飯を作り始めた。

でも何も言わずにキッチンを使われたのが気に障ったのかオスピタレロから「この鍋は僕が使いたかったんだ」、「この後夕飯を作るから何時に終わるんだ?」など小言を言われて、気まずい空気の中作った。

これまでキッチン有りと書かれた宿なら自由に使えたからちょっと驚いてしまった。

夕飯は出前一丁!!

うますぎるぅぅぅ!!

もうラーメンに関しては本当に日本の製品が圧勝ですわ。

オスピタレロとのギクシャクでちょっと下がったテンションもラーメンのおかげでぶっ飛んだ。

食後はやる事も無いのでAzuが散歩に出掛けて行った。

僕も適当に街をぷらぷら。

山に沈んで行く夕日は美しく、ヤギが可愛かった。

宿に戻ってくるとAzuが石の上に座っていた。

この街は人の気配が無い。

2人だけがこの街にいるような気がする。

 

夕日が2人を照らして長い影を作っていて、

いつしか2人の影は重なっていた。

スペインの山の中の田舎町。

とても美しくもあり寂しくも見えた。

いや、寂しく見えたのはきっとこのカミーノというかけがえの無い時間の終わりが近づいて来ているからかも知れない。

順調に行けばもう残りは10日ほど。

あれほど遠かったサンティアゴ到着が現実的になって来たのだ。

この宿はベッドルームに照明は無い。

Wi-Fiも無い。

つまり寝るしか無い。

21時にはベッドに入って目を閉じた。

原始的な夜。

たまには悪く無い。

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明日は山を下って少し大きめの街に着くようだ。

って言うか朝飯も無いしどうしよう。

まぁ何とかなるか。

それでは!



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名前:mosari
年齢:30代アラフォー
性別:男性

2023年4月2日から夫婦の夢だった世界一周の旅に出ました。

小学校の同級生夫婦のポンコツ世界一周旅で世界の絶景、地球の美しさ、多種多様な文化を見てきます。 現在は3ヶ月のフィリピンでの語学留学を終えて、世界を巡ってます。

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