カミーノ31日目 我らは雨の旅人 スペイン【世界一周522日目】

【世界一周522日目】2024.10.2 スペイン

残り195.1km

Camponaraya→Trabadelo

歩行距離24.1km

気温:16度〜17度

歩数:37,908歩

1ユーロ=161.39円

気持ちの良い関係

5時半のタイマーで起きる。

ルームメイトのフランスマダムの2人はまだ寝ている。

こっそり部屋を出て1階で朝食。

昨日スーパーで用意しておいたサンドイッチにバナナ、チョコクロ。

本当は温かいコーヒーを用意したかったがここはキッチンが無いので仕方無い。

朝食後は部屋に戻ってバックパックと部屋に干していた衣類を回収して1階に移動する。

んでもう1回部屋に戻って寝袋を畳む。

寝袋って静かにパッキングしようとした場合の天敵。

長いからベッドの上でクルクル丸める必要があるんだけど、素材的に絶対シャカシャカ音がしてしまう。

なるべく静かに丸めるけどどうしても音が避けられない。

これはもうお互い様なんだけど、今回のように4人部屋とかで相手が寝てるとめちゃくちゃ気を使うのであった。

心の中でゴメン!と唱えながら作業した。

寝袋を畳んだらまたもや、1階に戻ってパッキング。

最中にはカナダ人のクリスも起きて来た。

今日目指す街は同じだ。

また後で会おうクリス!

最後に部屋に忘れ物が無いかだけチェック。

暗闇の中荷物を運び出しているので忘れ物があってもおかしく無いのだ。

部屋に戻るとフランスマダムたちは既に起きていた。

挨拶をすると「おはよう、今日も頑張りましょう」とハイタッチしてくれた。

我々の音で起きてしまっていたと思うがそんな事は気にしてもいないようだった。

お互い気を使いつつ、気持ちよく過ごせる良い関係だ。

雨のカミーノ

7時にアルベルゲを出る。

今日は雨予報だが朝イチはまだ降っていないようだった。

気温も全然寒く無い。

15度はあるだろう。

昨日食べたレストランの近くにやってくると、店先に昨日の店員さんの姿が見えた。

こんな朝早くから働いていたのか。

彼に挨拶して先へ進む。

街の外に出て街灯が無くなるとみちしるべであるモホン探しに相変わらず一苦労。

ベッドライトの灯りを頼りに真っ暗な道を進んでいく。

曇っていて星は見えず、周りには他のピルグリムもいないようだ。

1人で歩くにはちょっと怖い道を2人で歩いた。

あっ!

Azuが突然叫ぶ。

ライトの先にはモホン。

そこには198.5kmの案内があった。

とうとうサンティアゴまで200kmを切ったのだった。

いや、200kmだって相当遠いけど、これまで500km以上歩いて来たことになる。

東京〜大阪間だ。

どうやら我々のカミーノも後半戦に入っているらしい。

今日は曇っているからかなかなか明るくならなかったが、次の街が見える頃にようやく明るくなり始めた。

8:05 Cacabelos到着

ここは少しだけ大きな街のようで人の気配がある。

仕事に向かうであろう人や、通学していそうな子供の姿もあった。

街の真ん中に突如現れる教会。

もうどれくらいの教会を見て来ただろうか?

本当に全ての街にあるんだからキリスト教ってのはすごい影響力だよ。

この辺りでポチポチ雨が降り始めてしまったので僕はポンチョを着た。

久しぶりのポンチョ。

小雨はちょいちょい降っていたけどポンチョが必要とするレベルの雨は久しぶりだ。

街の外れにも立派な教会。

よく見るとアルベルゲの看板があった。

この時期はクローズしているようだったがこんな教会脇の建物に泊まれたら楽しいだろうなぁ。

この教会を過ぎた辺りから雨が強くなった。

久しぶりの黄色ぴちょん君の登場である。

視界が狭く、音も聞き取りにくくなる。

バックパックを濡らさないようにするために効果的だから仕方無いけれど。

8:50 Pieros到着

街というか住宅が幾つかあるだけの通り。

一瞬で終わってしまった。

街を出て未舗装路に入ると一気に雰囲気が変わった。

辺り一面が葡萄畑だった。

最初の頃はよく見た葡萄畑。

でもメセタ台地に入ってから見なくなってしまっていたんだよな。

この辺りはまたワインの産地なのだろう。

ワイナリーを意味するbodegaと書かれた看板を幾つか見かけた。

こりゃ今日の赤ワインも楽しみだ。

まさか自分がワインを楽しみにする日が来るとは思わなかったな。

日本だと自分じゃ頼まないし、美味しくも感じなかったんだけど、カミーノ中に飲むワインはとても美味しい。

巡礼者にとって赤ワインは特別な飲み物なのでディナーでほぼ間違いなく出てくるのだ。

もし晴れていたらとても気持ちの良い景色が広がっていることだろう。

でも今日は雨。

天気ばかりは仕方無い。

でも悪いことばかりじゃ無い。

楽しいのだ。

大人になってから雨の日にポンチョ(カッパ)を着て歩くというのは中々億劫なものだ。

それを今は思いっきり味わっている。

晴れの方が良いとは言え景色も中々だ。

雨の日だからこそ見れるちょっと寂しくも幻想的な雲がかった世界。

それを見ながら歩くのは中々気分が良い。

視界が遮られるのが嫌でポンチョのフードを外した。

涼しい空気が首元を通り過ぎてゆく。

すぐに髪の毛がずぶ濡れになった。

顔に張り付く髪が邪魔で後ろに思いっきりかきあげた。

笑っちゃうくらいずぶ濡れ。

でも構わない。

だって今日の僕らは雨の旅人なのだから。

9:10 Valtuille de Arriba到着

歩き始めて2時間が経っていた。

10kmほど歩いたのでここで休憩することにした。

何を飲もうかな?

そう考えながら街を彷徨う。

そして、街を抜けた。

カフェやってねええええ!

何軒もあるのに全部閉まっていた。

酷すぎる(;´∀`)

仕方無いので次の街へ。

4.8kmだから1時間ちょっとのはず…はぁ。

雨は相変わらずだったが思わず立ち止まってしまうくらい雰囲気は良い。

千切れた雲が山の斜面に作られた街のすぐ近くを通っていたり、穏やかな丘が織りなす自然の曲線美は見ていて楽しい。

葡萄の葉っぱは赤く紅葉しているように見えた。

葡萄畑の間を進んでいく楽しい道が続く。

この葡萄畑は緑の葉っぱ。

さっきの赤い葉っぱは珍しい品種なのかもしれない。

これがヨーロッパの田舎の原風景と言ったところか。

見ていて飽きない道をゆっくりと歩いた。

10:10 Villafranca del Bierzo到着

この街はそこそこ大きそうだ。

街の入口にあったこの建物の入口には多くの観光客が押し寄せていた。

近くには大型の観光バスまで止まっていた。

そんな事よりもカフェだ。

大きな教会前の高そうなカフェ以外に見当たらなかったのでそこに入った。

頼んだのはどデカいサンドイッチ。

中はスペイン風のオムレツが挟まっている。

5.5ユーロ(880円)と高かったが出て来て驚いた。

2人で半分こしてちょうど良かった。

2ユーロ(320円)のコラカオも2杯頼んだ。

サンドイッチがボリューム満点すぎて持っていたサンドイッチを食べる余裕がなかった。

出発する時に入れ違いでカナダ人のクリスもやって来た。

握手して再会を祝いつつ、今日の目的地が一緒なのでまた会おうと挨拶をして出発。

この街は想像以上に大きくツーリスティックだった。

美しい薔薇のような花が咲き誇る公園を抜けたところでAzuが気がついた。

あっ!あの2人!

それはマカオカップルの2人だった。

レオンに着く前日に会ったのだが彼らはレオンは1泊、我々は2泊だったので相当先に進んでいると思っていたので驚いた。

しかも今日の距離は30kmも歩くと言う。

なんでこんな歩ける2人と再会できるのだろうか。

不思議だ…

街の出口には橋がかかっていた。

橋を渡った所で振り返る。

景色を見ていると、

HEY! Guys!

声の主は2日連続同じアルベルゲだった高齢のフランス人マダムだった。

彼女は今日はここまでらしいけど、よく2日間も我々と同じペースだったもんだ。

70歳くらいだろうけれど、我々が遅いのか、彼女がすごすぎるのか…

 

街を抜けるとひたすら車道沿いを進んだ。

景色は正直良くない。

と言うか雨がドンドン強くなっていく。

さっきまで雨の日も楽しいとか言ってたのに段々と濡れてくると徐々に不快度が上回って来た。

顔はびしょ濡れだったが首筋から上半身が少しずつ濡れ始める。

そして膝より下。

ポンチョを伝った雨水が触れるのか膝より下が濡れ始めた。

気づいた時点でレインジャケットのパンツも履けば良かったのだが、雨の中立ち止まり、ポンチョを脱いで、バックパックカバーを外し、靴を脱ぎ、パンツをはくという行為が億劫で機会を逃してしまった。

さっきまで大丈夫だったからこのままイケると思ってしまったのが失敗だった。

距離的には1時間ちょっとのはずだが随分と長く感じた。

12:15 Pereje到着

雨が辛くてこの街に何があったか覚えていない…

とにかくひたすら歩き続けた。

そしてついに、

あっ!最悪だ!

気がつくと靴の中からジュッポジュッポ音がするようになった。

つまり靴の中まで浸水したと言う事だ。

こうなると不快度指数が跳ね上がる。

しかも靴の中が蒸すとマメも出来やすくなる。

とにかくこれ以上不快度指数を悪化させたくなくて高架下で雨が防げる所でレインパンツを履いた。

これだけでも暖かいし、少しだけ不快度指数が下がった。

今度からめんどくさがらずに早めに履くことにしよう…

ズボンを履いていると高齢の女性に話しかけられたのだがなんと初日のOrissonのアルベルゲで同じだった方だった。

30日ぶりの再会!すごっ!

少しだけサプライズに元気をもらって最後の街を目指す。

雨の中みんな頑張って歩いている。

我々は次の街で終わりだけど、

私たちは次の次の街よ!アッハハハハハ!

僕らよりもずっと年上のおばさんはそう言って笑っていた。

みんなたくましいな。

僕も見習わなければ。

っいて言うか雨の強い日はマジでレインパンツは早めに履こう…

途中で道路を渡るような場面が何回かあった。

ポンチョのフードが邪魔で左右がほとんど見えない。

だから我々は雨の日はかけ声をかけてから横断している。

まずは右を僕が見る。

右ヨシっ!

続いてAzuが左を見る。

左ヨシっ!

これで左右の安全が確保された。

Azuヨシっ!

このかけ声を合図に道路を安心して渡るのだった。

13:00 Trabadelo到着

今日は24.1kmを休憩込みで6時間の旅だった。

我々にしては少し長めなのに休憩は1回だったので早めに辿り着くことができた。

念のため予約してあるがこれなら余裕だったろう。

メイン通りから少し坂を登った所にAlbergue Parroquial Trabadeloはあった。

靴が濡れているだろうと見越してオスピタレロは新聞紙を用意してくれていた。

ありがたい!

びしょ濡れの靴を脱いでビーサンに履き替えてチェックイン。

1人9ユーロ(1,440円)。

カード不可。

大部屋に2段ベットがずらり。

Wi-Fiは部屋までサクサクだ。

まずは濡れた身体を温めるためにシャワーだ。

しばらくするとAzuがホカホカになって帰って来た。

安心してシャワールームに向かうと2ヶ所あるシャワーは男女共用なのに鍵がかからないタイプだった。

女性は使ってるアピールをしないと危ない!

お湯はとてもアツアツで最高だった。

続いて洗濯。

洗い場は外にあったが屋根があったので手洗いする事にしたが、この雨では干してても乾かないだろう。

ここは1ヶ月ぶりに乾燥機を使うことにした。

洗濯は4ユーロ、乾燥機は5ユーロ。セットじゃないと受けられないんだ。

オスピタレロから無慈悲な返答(;´∀`)

セットじゃ無いとダメなら最初から洗濯&乾燥9ユーロって書いてくれよ。

バラバラに書いてあったら片方だけでも出来ると思っちゃうやん(;´∀`)

せっかく手洗いしたのに洗濯費用まで払うのは癪でそのまま部屋に干したけど、1mmも乾かなかった。

湿度100%って感じの部屋だった。

去年12月に行ったインドのバラナシを思い出した。

忘れてたよシエスタさんよ

洗濯物にモヤっているものの、夕食を食べに行くことにした。

ここにはキッチンもあるし、商店もあるから自炊も考えていたが商店は閉まっていたのであった…

仕方無いのでカレーが食べれる店を発見したので突撃。

中ではすでにクリスがビール片手に食事を終えた所だった。

我々もすかさず注文。

ごめんなさい。16時から18時半までは休憩なの。

時計を見ると16時5分。

シエスタぁぁぁぁあ!!

うわ、完全に忘れてたよ。

ここ最近自炊や宿にお願いしてばかりだっから…

せっかくのカレーを逃してしまった我々…

でもお腹は減ってるし18時半までは待ちたくない。

街にあるもう1軒のレストランに行ってみた。

ご飯食べれます…?

ちょっと待ってね、マスターに聞いてくるわ。

これでダメなら18時半まで待つしかない…戻って来た彼女の返事は…

サンドイッチだけなら食べられるわよ。

またサンドイッチ(;´∀`)

でも仕方無い。

サンドイッチだけでもいいから食べておくことにした。

トルティーヤもあったので注文。

普通に美味しかったしデカかった。

ケチャップとマヨネーズも付けてくれたのポイント高し。

そしてサンドイッチ。

大きいし肉にはガーリックで味付けされてるし、パンにもオリーブオイルをかけてくれていたりとなかなか手が込んでいた。

冷たいサンドイッチしか食べられないと思っていたAzuはとても喜んで食べていた。

最後はデザート。

アップルタルト。

ふわふわでこれも美味しかった。

値段は22.15ユーロ(3,545円)と食べたものを考えると鬼高いがもう仕方無い。

帰りにボトルに水を入れてもらってレストランを後にした。

珍しくというか初めてアルベルゲの水が飲めないと言われてしまったのだ。

近くに飲める水道があるか聞いてみても案内された場所には飲めるかは保証しないと張り紙があった。

小さな街なので全て同じ水源だとは思いつつも店や他のアルベルゲにお願いして水をもらうようにした。(泊まっているアルベルゲでは水は売っていたがちょい高め…)

水をもらってアルベルゲに戻っていると街唯一の商店がオープンしているところだった。

13時から17時までシエスタやったんか…

休憩長すぎ(;´∀`)

覗いてみるとなかなかなラインナップ。

朝食用に死にかけのバナナ2本だけ買っておいた。

1.5ユーロ(240円)。

アルベルゲに戻ったら2回のキッチンでコーヒーでも飲みながら作業することにした。

が、ガスコンロが付かない。

オスピタレロに聞きに行ってもらったら、

ガスコンロも電子レンジも壊れてるって。

マジかよ。

普通にチェックイン時に「キッチンは8時半でクローズだよ。」と、案内があったのに。

ガスコンロもレンジも使えなかったらキッチンは実質存在していないのと同じだ。

今日は雨が強くて途中の街で食材を買うのを諦めたが、晴れてたら普通に買って来ていた所だ。

なんか色々とモヤるアルベルゲだな…。

洗濯は乾燥とセットじゃないとダメ。(説明の紙にはそうは書いていない)

室内に干すラックを移動しても良いか聞いたらダメ。

水は飲めない。(案内された近くの水道も飲めるか微妙)

キッチンは実質使えない。(チェックイン時には使えると思えるような発言あり)

2階の共有スペースで作業しながらモヤるねぇなんて話をしていたらオスピタレロに電気も消された。

時間は20時半。

キッチンはクローズだと聞いていたが、共有スペースも20時半で消灯ですか…

はぁ。

ゴールが近づくに連れて人が増えていく。

そうなるとビジネスライクになってしまうのかな。

もう我々の素晴らしいカミーノ生活も終わりに近づきつつありそうだ…

モヤりながらベッドに入った。

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明日は再び山越えの前半戦。

膝よ頑張ってくれ!

って言うかまた雨予報なんですけど(;´∀`)

それでは。



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名前:mosari
年齢:30代アラフォー
性別:男性

2023年4月2日から夫婦の夢だった世界一周の旅に出ました。

小学校の同級生夫婦のポンコツ世界一周旅で世界の絶景、地球の美しさ、多種多様な文化を見てきます。 現在は3ヶ月のフィリピンでの語学留学を終えて、世界を巡ってます。

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