【世界一周417日目】2024.6.2 ペルー パントーハ
気温:22度〜30度くらい
歩数:1,395歩
1ソル=41円
今日の予定
- ハンモック船の3日目を楽しむはずがまさかの?
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異変
昨日は寒さ対策にヒートテックとフリースを着て寝ている。
ホカホカというわけでは無いが初日よりはマシだった。
が、夜中ふと目が覚めると猛烈な吐き気。
耐えられずにトイレに駆け込んだ。
・・・幸い吐かなかったけど気分が悪い。
少し休んでからハンモックに戻って再び横になった。
いつの間にかホカホカで汗ばむくらい暖かくなった。
暖かくて気持ちが良いのだが暑すぎる。
首筋に手を当ててみるとびっくりするくらい熱かった。
確かこの時は3時くらいだったはず。
嫌な予感がする。
ひたすら目を閉じて朝を持った。
朝になってAzuも起きて来た。
ごめんAzu。なんか熱っぽい。
えぇ、って熱ぅ。これはあるねぇ。
首筋に触れたAzuもすぐに判断出来るくらいの熱さ。
とりあえず寝るしかできない。
んだけど、
ヘイ チーノ!朝食だぞ!
アミーゴ! 食べる時間だ!
気の良いペルー人のおっちゃんたちにこぞって朝食だと起こされる。
チーノじゃなくてハポンだよ。具合悪いからご飯はいいよ。
弱々しく答えるとみんな心配してくれる。
熱を測ると38.5度だった。
昨日はあんなに元気だったのに・・・
ただの風邪なら寝るしか無い。
が、Azuが恐ろしい事を呟いた。
マラリアじゃ無ければいいけど・・・
そうだった。
ここはアマゾン。
マラリアも蔓延している。
パントーハで100ヶ所以上刺された事を思い出してビビる。
えーと、病院に・・・
って病院なんか無い。
ここはハンモック船の上なのだ。
このままだと4日くらいかかりそうなペース。
それからの受診で間に合うのだろうか?
マラリアで亡くなった世界一周中の夫婦の話を思い出して怖くなった。
どうにかしないといけないけど頭が回らない。
もしかしたらこのまま死んじゃうんじゃ無いかな?もし死んだら灰はアマゾン川に流してもらおうか。
なんて馬鹿なことを考えた。
それくらい辛くて、怖かった。
とりあえず何かお腹に入れようと昨日買っておいたミカンを食べたけど半分しか食べられなかった。
食べたらすぐに吐き気が出てしまったのだ。
Azuの朝食はいつものミルク的な何かとパン。
決断
その後も起きてられずにハンモックの上に横になっていた。
明らかに顔が赤い・・・
12時くらいになって昼食の時間になった。
もちろん食べれないのでパス。
ちなみに昨日ウジ虫まみれだった魚を使ったスープは船員用のご飯に出されていたらしい。
我々の昼食はキッチンに生きた鶏が持ってかれたそうなので新鮮なチキンだったとか。
うつろながらAzuがシルヴィアや他のペルー人と話をしているのが聞こえた。
そして、Azuが重要な情報を教えてくれた。
mosariよく聞いて。
パントーハはマラリアの発生地帯だからマラリアの可能性があるんだって。
24時間後くらいに病院のある少し大きめの村に辿り着けるそうなんだけど、今船が座礁してて1時間動いてないの。
どれくらいで動けるかわからない。
そこで今船を降りて近くの村の病院に行く方法もあるみたい。恐らくそこでも検査くらいは出来るかもしれないんだって。
スペイン語圏で必死に情報を集めてくれたらしい。
本当にありがとう。
1日くらいなら待てると思うけど座礁というのが引っかかる。
って言うかこんな状況なのに座礁して動けないとかアマゾンは難しいな。
なら何かを待つよりも今出来る事をした方が良いと思った。
でももし船を降りるなら船は座礁から抜け出したらそのまま先に進んじゃうらしい。
だから船を追いかける小船も交渉して探さないといけないらしかった。
なかなか難しいシチュエーションだけど仕方ない。
どうやって合流するかは未定だが船を降りよう。
戻って来れると信じて荷物は船に置いて行く。
パスポートとお金だけ持って行く事にした。
Azuはモバイルバッテリーと持っている薬を持って来てくれた。
デッキに出ると船は川のど真ん中に座礁していた。
橋がかけられないから船から飛び降りて小船に乗り移らないといけないようだった。
2m以上はあるのに下には不安定な小さな木の船。
バランスを崩したら転覆しそうだが持てる力を振り絞って船の端を握りながら船から飛び降りた。
Azuも船員に手伝ってもらってなんとか飛び移る。
2人だけでスペイン語圏の病院に行く。
それはとても不安だった。
小船は5分ほどで近くの村にやって来た。
落ちないように気をつけながら船から降りると、そのまま船は帰ってしまった・・・
これでもう後はAzuと2人でなんとかしないといけない。
たどり着いたのはPLAZA CAMPO SERIOという村だった。
病院も船をチャーターするためのお金も足りるか心配だがとりあえず先に進もう。
村は思ったよりも広く病院らしきものも見当たらない。
住民に聞きながら病院を探した。
Azuの歩くペースにすら着いていけなくてふらふらになりながら歩いていく。
暑い。
容赦無い日差しが肌を焼いてくる。
500mくらいしか歩いてないのにいつまでも病院が見つからない気がして、諦めてこのままここで寝てしまおうかと思った。
それでもなんとかたどり着いたのは病院というよりも診療所と言った方が良さそうな簡易なものだった。
そりゃそうだよな。
立派な施設なんてアマゾンの中にある訳が無い。
建物の入口にあるベンチで横になっているとAzuが医者とやり取りしてくれた。
もちろんスペイン語。
部屋に入ると熱や血圧を測ったり、症状とアレルギーがあるかとか既往歴があるかとか質問があった。
体温計は日本じゃもう見ない水銀のやつだった。
後はパントーハからイキトスに向かうハンモック船に乗っていたことなども伝えた。
でも医者から出て来たのは想像していなかった言葉だった。
ここではマラリアの検査はできないの。
なんてこった。
船を降りたのに検査出来ないとは。
どうしよう。
今から検査できそうな村を教えてもらって小船をチャーターして向かうか、それともハンモック船に戻って明日まで待つか・・・
考えたいけどうまく頭が回らない。
どうしたもんかと思ってたら別のスタッフが何か検査キットを持って来た。
訳もわからずいきなりチクっとした痛み。
ピアスを開けるような機器で指先に小さな穴を開けたようだった。
滲む血をガラスの板に垂らして妊娠検査薬みたいなやつに血を移した。
なんの検査か聞いてみるとマラリアの検査だった。
どうやらキットが見つかったようだ。
すごく簡易なキットだったけどAzuが日本の病院でもみたことがあるしっかりとした会社のものだったらしい。
10分後に結果が出る。
頼む陰性であってくれ。
椅子に座ってるのも辛くて机に突っ伏して待った。
10分後に医者が戻って来た。
そして、
・・・
・・
・
マラリアじゃ無いわ。
良かった。
パントーハに9泊していたこと、ローカルの食事やジュースなどを飲んでいた事を告げると、それは良く無いわね。
みたいな顔をしていた。
食あたりみたいな感じなのだろうか。
その割にはまだ吐いてはいないし、具合が悪くなってから便も出ていない。
パントーハにいる時は便は1日1回ちゃんと出てたし軟便ですら無かった。
でも船乗った昨日は出なかったんだよなぁ。
でも腹は壊して無いから不思議だ。
Azuは医者と話をして持ってる薬を見せていた。
どうやらとりあえず持っている薬を飲めば良いという事だった。
このために薬を持って来てたのか。
Paracetamolという薬を500mg内服すればいいらしい。
そんなものまで持っているとはさすがAzuだ。
ブオオオオオオオオオ!
外から聞き覚えのあるエンジン音が聞こえた。
我々の乗っていたハンモック船のものだ。
良くも悪くも座礁から抜け出せたようだ。
じゃあ後はこれを追いかける小船を探さないと。
そう思っていたら医者とスタッフが、
早く外に出ろ!
と言って来た。
え?お会計は?
いらないわ。マラリアじゃなくて良かったわね。早く行きなさい!
マジか。
アマゾンにある小さな村でまたもや優しさを分け与えてもらってしまった。
貴重な検査キットだろうにありがとう。
本当にありがとう。
今思い出しても涙が出そうになる。
追い出されるように外に出るとハンモック船が目の前に接岸していた。
別の船をチャーターして追いかけろって言ってたのにわざわざ止まってくれるなんて。
もうみんな優しすぎるよ。
写真を撮る元気すらなかったけど、建物から出たらあの最高にクールな見た目のハンモック船が僕らのために待っていてくれたあの光景はまるで映画のワンシーンみたいにかっこよかった。
もしかすると我々がハンモック船に乗ってると伝えていたからスタッフの人がもう検査が終わるからと捕まえておいてくれたのかもしれないな。
どちらにしろ本当に助かった。
船に戻るとみんなデッキに出て来て心配してくれた。
マラリアじゃなかったよ。
そう言うとみんなホッとしていた。
デング熱のチェックは出来なかったけどマラリアの可能性が無くなっただけでも良かった。
食堂のおばちゃんがパパイヤをくれたのでそれを食べて、コーラを飲んだら持っていた薬を飲んで横になった。
・・・
・・
・
しばらくすると薬が効いてきたのか随分と楽になった。
少しだけアマゾンの景色が見たくなってデッキに出てみた。
昨日はあんなに楽しくて仕方なかったアマゾン。
今はその厳しさを身に沁みて実感している。
少ししたらやっぱり辛くなってハンモックに戻った。
ハンモックに戻ってからは少し寝たり、窓から見える青空を見て過ごした。
そして1日が終わろうとしていた。
いつもなら綺麗に見える夕日もこの日はとても頼りなく見えた。
ちゃんとしたベッドで横になりたい。
治るかな。
もっと悪化したらどうしよう。
怖いな。
アマゾンは怖いよ。
日が落ちて夕飯の時間になったけどやっぱり食べれなくてパス。
今日も昨日と同じようなミルクみたいなやつだったみたい。
21時ごろに朝残したミカンの半分を食べてまた薬を飲んだ。
それくらいしか食べられないのが悔しい。
早く元気になるといいけれど、ベッドですら無いこの船の環境ではそれは難しいように感じた。
アマゾンは時に優しく、時に厳しいな。
日が落ちて暗くなるととたんに心が弱くなる。
明日悪化してたらどうしよう。
怖い。
不安なまま目を閉じて朝になるのを待ち続けた。
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明日はどうなるかわかりませんがまだまだハンモック船での暮らしは続きそうです。
めちゃくちゃ進むの遅いよう。
それでは!